Vol. 2May 2026

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公共领域世界知识图书馆

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大宇宙遠征隊

海野十三

黒いインキをとかしたようなまっくらがりの宇宙を、今おびただしい噴行艇の群が、とんでいる。 「噴行艇だ!」 噴行艇といっても、なんのことか、わからない人もあるであろう。噴行艇は、ロケットとも呼ばれていた時代があった。飛行機は、空をとぶことができるが、空気のないところではとべない。しかし噴行艇は、空気のないところでも、よくとべるのだ。艇尾へむけ、八本の噴管から、

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大寒小寒

土田耕平

おほ寒こ寒 山から小僧が とんでくる…… 冬のさむい晩のこと、三郎はおばあさんと二人で、奥座敷のこたつにあたつてゐました。庭の竹やぶが、とき/″\風に吹きたわむ音がして、そのあとは、しんとしづかになります。そして、遠くの方で犬の吠える声がきこえたりするのも、山家の冬らしい気もちであります。大寒小寒の唄は、さういふさむい晩など、おばあさんが口癖のやうに、三郎に

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大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ

チェーホフアントン

「ね、馭者をやって見てもいいでしょう。私、馭者のとこへ行くわ!」とソフィヤ・リヴォヴナが声高に言った、「馭者さん、待ってよ。私、あんたの隣へ行くから。」 彼女が橇の中で起ちあがると、夫のヴラヂーミル・ニキートイチと、幼な友だちのヴラヂーミル・ミハイルイチとは、倒れぬように彼女の腕を支えた。トロイカは疾走している。 「だから、コニャックを飲ませてはいけないと言

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大へび小へび

片山広子

大へび小へび 片山廣子 日本では蛇の昔ばなしがたくさんあるが、アイルランドの伝説にも蛇が多いやうである。同じやうに島国のせゐかもしれない。初めに私が読んだのはごく太古のこと、北方の山の湖水に劫を経た大蛇が、将来えらい人がこの国に来て蛇族全部を退治してしまふといふ予言をきいたので、さういふ災禍の来ない前に海に逃げてしまはうと思つて、一生けんめいに湖水から逃げ路

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大岡越前の独立

直木三十五

便室(老中が、城内で、親しい者と話をする小部屋)の襖を開けると 「急用で御座りますかな」 と、口早にいって、越前守は、松平伊豆守信祝(信綱の曾孫)の前へ坐った。 「急用と申すほどで無いが――天一坊と申す者の噂を聞いたか?」 と、信祝は、唇で微笑しながら、じっと越前守の眼をみた。越前守は、頷くと 「何か、所司代より申越して参りましたか」 奥坊主が、廊下で 「お

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大島行

林芙美子

大島行 林芙美子 一信 思ひたつた旅ながら船出した咋夜から今朝にかけて、風雨激しく、まぢかく大島の火の山が見えてゐながら上陸が仲々困難でした。本當は、夜明けの五時頃にはもう上陸が出來るはずなのに、十時頃までも風力の激しい甲板の上に立つて、只ぢつと島裾を噛んで行く、白い波煙を見てゐるより仕方もありませんでした。 遠くから見るとまるで洗つたすりばちを伏せて、横つ

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大川ばた

長谷川時雨

大川ばた 長谷川時雨 大川は、東京下町を兩斷して、まつすぐに流れてゐる。 その古の相貌は、まことに美しい潮入り川で、蘆荻ところどころ、むさしの側は、丘は鬱蒼として、下總野の、かつしかあがたは、雲手の水に水郷となり、牛島の御牧には牛馬が放牧されてゐた。北には筑波が朝紫に、西に富士はくれなゐの夕照にくつきりと白く、東南に安房上總は青黛のやうに、海となる空のはてに

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大師の入唐

桑原隲蔵

大師の入唐 桑原隲蔵 (一)緒言 毎年この六月に、弘法大師降誕會が主催となり、東西の碩學を聘して講演會を開き、大師の遺風餘徳を偲ぶといふことは、極めて結構な企と思ふ。古人を尚友すと申して、過去の偉人を修養の手本とするのは、非常に效驗が多い。現存の人々にも立派な方は尠くなからうが、生きた人間の褒貶は定らぬ。憲政の神樣が一朝にして憲政の賊に早變りなし、清節を看板

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大師の時代

榊亮三郎

大師の時代 榊亮三郎 本日は、弘法大師の御降誕に際しまして、眞言宗各派の管長の方々、並に耆宿碩學の賁臨を忝うし、又滿堂の諸君の來集の中に於て、此の演壇に立ち、宗祖大師の時代につきまして、一塲の卑見をぶることを得まするは、私にとりまして、光榮至極のことゝ存じます、演題は、茲に掲げました通り「大師の時代」と云ふのであります、從來、宗祖大師の降誕會を擧行せらるゝ度

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大きな怪物

平井金三

大きな怪物 平井金三 妖怪とか変化とか、生霊とか死霊とか種々な怪物に就ては度々前に話をしたり書いたりしたから改めて申すまでも無かろうから今度は少し変った筋の話をする事にする。 一体怪物と云えば不思議なもので世間にあまり類と真似の無いもののようだが、よく考えてみるとこの世の中にありとあらゆるものは皆怪物になる、ただ私達の眼が慣れっこになったので怪物に見えなくな

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大恩は語らず

太宰治

先日、婦人公論のNさんがおいでになつて、「どうも、たいへん、つまらないお願ひで、いけませんが、」と言ひ、恩讐記といふテエマで數枚書いてくれないか、とおつしやつた。「おんしうき。恩と讐ですか。」と私は、指先で机の上に、その恩といふ字と、讐といふ字を書いて、Nさんに問ひただした。Nさんは卒直な、さつぱりした氣象のおかたであつた。「さうです。どうも、あまりいいテエ

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大戦脱出記

野上豊一郎

大戰脱出記 野上豐一郎 一 パリとの通話 エスパーニャに居る間に中歐の形勢はどんどん惡化して行つた。 ドイツが突然ソヴィエトと握手したといふ報道がサン・セバスティアン(公使館所在地)に傳はつたのは八月二十二日(一九三九年)だつた。その朝私たちは食卓で前の日に見た鬪牛の話をしてゐた。そこへ入つて來た矢野公使にその話を聞かされた時は驚いた。ソヴィエトとドイツが不

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かたい大きな手

小川未明

遠く、いなかから、出ていらした、おじいさんがめずらしいので、勇吉は、そのそばをはなれませんでした。おじいさんの着物には、北の国の生活が、しみこんでいるように感じられました。それは畑の枯れ草をぬくもらし、また町へつづく、さびしい道を照らした、太陽のにおいであると思うと、かぎりなくなつかしかったのです。 「こちらは、いつも、こんなにいいお天気なのか。」と、おじい

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大きな手

竹久夢二

大きな手 竹久夢二 ある郊外、少女Aと少女Bの対話 A まあ、あなたの手は綺麗なお手ねえ。白くって、細くって、そしてまあこの柔かいこと。マリア様のお手のようだわ。B そうでしょうか?A あら、あなたはそうは思わなくって? これが美しくなかったら何を美しいって言えば好いでしょう。B そりゃあたしの手は、小さくても色が白いには白いけれど、あたしよかもっと美しい手

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大捕物仙人壺

国枝史郎

大捕物仙人壺 国枝史郎 1 女軽業の大一座が、高島の城下へ小屋掛けをした。 慶応末年の夏の初であった。 別荘の門をフラリと出ると、伊太郎は其方へ足を向けた。 「いらはいいらはい! 始まり始まり!」と、木戸番の爺が招いていた。 「面白そうだな。入って見よう」 それで伊太郎は木戸を潜った。 今、舞台では一人の娘が、派手やかな友禅の振袖姿で、一本の綱を渡っていた。

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大日本帝国憲法

日本国

大日本帝国憲法 大日本帝国憲法 一八八九年二月一一日発布 一九四七年五月二日廃止 上喩 朕祖宗(ちんそそう)ノ遺列(いれつ)ヲ承(う)ケ万世一系(ばんせいいっけい)ノ帝位(ていい)ヲ践(ふ)ミ朕(ちん)カ親愛スル所ノ臣民(しんみん)ハ即(すなわ)チ朕カ祖宗ノ恵撫慈養(けいぶじよう)シタマヒシ所ノ臣民ナルヲ念(おも)ヒ其(そ)ノ康福(こうふく)ヲ増進シ其ノ懿徳

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大望をいだく河童

坂口安吾

昔、池袋にすんでいたころ、小学校の生徒に頻りに敬礼されて、その界隈を遠廻りに敬遠して歩かねばならなくなったが、僕に似た先生がいたに相違ない。 戦争中、神田の創元社へよく遊びにでかけたが、日大生に時々敬礼された。何先生が僕に似ているのか気にかかった。 まだ焼けて幾日にもならぬ高田馬場駅で、夜であったが、軍服の青年(将校らしい)に挨拶され、第二高等学院の何々先生

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大きなかしの木

小川未明

野の中に、一本の大きなかしの木がありました。だれも、その木の年を知っているものがなかったほど、もう、長いことそこに立っているのでした。 木は、平常は、黙っていました。だれとも話をするものがなかったからです。あたりにあった木はいずれも小さく、背が低うございました。その木の親たちは、かしの木を知っていましたが、もうみんな枯れてしまって、子や孫の時代になっていたの

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大東亜戦争と科学技術者

中谷宇吉郎

大東亞戰爭の緒戰における神祕的なる大戰果はあらゆる日米未來戰の夢物語りを超越したものであつた。 帝國海軍はそれらの著者達の構想力を粉碎して身をもつて小説よりも奇なる事實を創作したものであることは、いまさら述べたてるまでもない。しかしこの一見奇蹟的なる大事業も決して神祕的なものではなかつた。それは十二月九日の夜大本營海軍報道部長前田少將の放送(十日朝刊各紙掲載

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大根の葉

壺井栄

健のお母さんは、今夜また赤ん坊の克子をつれて神戸の病院へ行くことになっている。健はどうにかしてお母さんについて神戸へ行きたいと思うのだったが、お母さんはどうしても、よい返事をしてくれない。部屋いっぱいに並べられた着類や、手まわりのものなどを大きな柳行李に入れたり、またそれを取り出してつめかえたりしているお母さんのそばにつっ立って、健はふくれかえっていた。いつ

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大森彦七と名和長年

松本幸四郎

「大森彦七」は師匠団十郎が福地桜痴居士に書卸していたゞき、明治三十年十月の明治座で初演され、大好評を博した狂言で、後日新歌舞伎十八番の中にも加へた当り芸なのですが、居士が脚本を書き上げて内読をした時、団十郎は正成戦死の物語を素で行きたいと希望し、更に狂乱になつて踊りたいから文句を書加へてほしいと注文したところ、居士は即座に承諾して「太平記」の中にある俗謡「こ

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大植物図鑑 01 序

松村任三

近來科學知識が一般に歡迎せられつゝあるは喜ぶ可き現象である。併し科學の範圍は廣いから、その總べてに亘る知識を何人もが得ようとすることは、それが各專門の知識であるだけに困難な業である。それで何人にも興味があり、直接必要な知識として歡迎せらるゝは自然科學、殊に動物及び植物に關する知識である。この方面の知識は婦人にも子供にも歡迎せられて、頻りに一般家庭に取入れられ

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大植物図鑑 02 序

丹波敬三

自然界に棲息する人間に取つて、自然の觀察は決して忽にならない。中にも人間の生活を取卷く植物ほど人生に深い交渉を有つものはあるまい。 吾人は全然知らぬ自然界の事物に對するよりも、よく其の物の名稱を知り形状を知るときに、そこに心から其の物を愛する情が起る。故に草木の如きもその名稱・形態より延いて生活状態までも知るやうになれば、到底離るべからざる愛着心を感ずる。本

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大植物図鑑 03 序

本多静六

著者村越君が訪問されて本書の批判を余に請はれた。そこで余は本書の内容、殊に余の專攻項目に就て目を通したが、先づ第一に余の感心したのは斯の如き尨大なる著述を其の圖の全部から説明の各項まで君一人の手によつて完成せられたといふことである。著述に聊か經驗ある余には君の非常なる此の努力に對し敬意を表せずには居られない。從來此の種の著書は二三にして止まらないが、大抵は各

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