Vol. 2May 2026

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新しい躾

宮本百合子

新しい躾 宮本百合子 この半年ばかりのうちに、私たちの生活におこった変化は、日本のこれまでのいつの歴史にもその例がないほど、激しいものです。日本は今、非常な困難とたたかいながら、一日も早く民主の国となり、平和の保証された国となり、世界に再び独立国として登場するための努力をはじめております。 これからの私たち日本人は、世界に恥しくない市民として、どういう風でな

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『新辞泉』序文

新村出

この辞典の編集方針など、必要な事は一切このあとの凡例(はんれい)にのべますから略しますが、要するに、今度はわたくしがこれ以前に出した中辞典のうち一つ二つとは違って、国語辞典の本体を成るべく固守して、百科辞書風のおもむきを脱却したことが一つの特点です。申さば、標準的な現代語を主として、専ら学生向きに適せしめると共に、一般の社会人に対しての参考用に資したいと思っ

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新郎

太宰治

新郎 太宰治 一日一日を、たっぷりと生きて行くより他は無い。明日のことを思い煩うな。明日は明日みずから思い煩わん。きょう一日を、よろこび、努め、人には優しくして暮したい。青空もこのごろは、ばかに綺麗だ。舟を浮べたいくらい綺麗だ。山茶花の花びらは、桜貝。音たてて散っている。こんなに見事な花びらだったかと、ことしはじめて驚いている。何もかも、なつかしいのだ。煙草

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マイクロフォン 「新青年」一九三三年七月

国枝史郎

久しぶりの大下宇陀児の発表「画家の娘」を読んだ。自分としては失望する。ビーストンにだって駄作が交っているんだから、無理もない。しかし堪念に女学校用探偵小説を書きつづけている大下宇陀児を愛する。 甲賀三郎が窒研をやめてからのちに発表するものは、いずれも大変面白く読んでいる。「丘の上」もその通り。やっぱり本職にならないと面白いものが出来ないらしい。もっと早く窒研

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マイクロフォン 「新青年」一九二七年三月

国枝史郎

作者は大方「型」を持っています。その「型」の中で微動し乍ら創作をつづけて行くときはまずあぶな気がありません。一通りのものは作れます。そいつを何時迄もつづけていると作が生気を失います。「型」を思い切って破壊するか、乃至は「型」の中に居り乍ら深く下へ掘り下げるか、どっちかにしなければなりますまい。小酒井不木氏の「疑問の黒枠」は一方「型」を深く彫り下げ一方「型」を

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マイクロフォン 「新青年」一九二七年五月

国枝史郎

岡本綺堂氏推薦、デイピング原作といったような形式で訳されてあった五篇の翻訳は面白かった。純粋の創作家の鑑賞眼に選ばれた作以外によいもののあることを証拠立てている。図書館は毎号面白い。沢山の新聞雑誌からあれだけの材料を拾い出すのは並大抵の苦労ではあるまい。大庭武年氏の「小盗児市場の殺人」は面白かった。満州物を創作させたら今のところこの人が一番よいものを作るだろ

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マイクロフォン 「新青年」一九二八年一一月

国枝史郎

小酒井不木氏の「見得ぬ顔」は単なる探偵小説のための探偵小説で無い処が私には嬉しいと思われました。法律に対する完解、人間の好悪感に就いての意見、わけても最後の庄司弁護士の心持などには鋭い深い氏の物の見方が窺われました。従来やや自己韜晦の気味に居られた氏が、それに満足されずに次第に本質を現わして行かれようとして居ります。 ●図書カード

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マイクロフォン 「新青年」一九二八年二月

国枝史郎

新青年四月増大号一瞥。明るくなりました。笑いの分子が多くなりました。大分若くもなりました。「探偵雑誌とは嚇しつけるもの」こう思っていた人もあったでしょうが、それを相当ぶちこわしました。可成り是迄は嚇し付けていたのですから、是からは笑わせた方が可いでしょう。尤も従来もこの雑誌には沢山ナンセンスが盛り込まれてあって随分笑わせてもくれましたが。――色刷の口絵「王子

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マイクロフォン 「新青年」一九二六年一一月

国枝史郎

惣太物をはじめとして甲賀氏は近来の作にユーモアを織り込もうとし然うして織り込んで居りますが、私見を以てすればこのユーモアまだまだ洗練されて居りません。甲賀氏従来の特色は非常に複雑な筋を立て夫れを明快に率直に解剖するにあったようですが、その明快と率直とが洗練されていないユーモアのため濁されて居るように思われます。でユーモアをもっと洗練して貰うか乃至は一時引っ込

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マイクロフォン 「新青年」一九二六年三月

国枝史郎

△小酒井不木氏の作では新青年の「恋愛曲線」大衆文芸の「人工心臓」を挙げる。いずれも凄愴酷烈である。そうして社会性を持っている。△江戸川乱歩氏の作では苦楽の「闇に蠢く」を挙げる。例に由って瑰麗の文章である。そうして次号を待たせるだけの強い魅力を持っている。△平林初之輔氏の評論には僕はいつも感心し、そうして敬意を払っている。新青年の「予審調書」も、処女作などとは

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マイクロフォン 「新青年」一九二六年二月

国枝史郎

啓蒙的描写論、そういう物だって必要である。一作に就ての解剖的批評。そういう物だって必要ではある。しかし小酒井不木氏とか松本泰氏、江戸川乱歩氏、横溝正史氏、アーサー、リーヴ、チェスタトン、ビーストン、ウェルシーニンというような、代表的作家の人物批評は、是又大いに必要である。以上挙げた日本の作者等は(勿論その他にも著名な人はあるが)人物評論をされても可い程、探偵

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新頌

北原白秋

第一章 高千穂 男声(独唱竝に合唱) 神坐しき、蒼空と共に高く、 み身坐しき、皇祖。 かなり我が中空、 窮み無し皇産霊、 いざ仰げ世のことごと、 天なるや崇きみ生を。 国成りき、綿津見の潮と稚く、 凝り成しき、この国土。 かなり我が国生、 おぎろなし天の瓊鉾、 いざ聴けよそのこをろに、 大八洲騰るとよみを。 皇統や、天照らす神の御裔、 代々坐しき、日向すでに

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新頌

北原白秋

第一章 高千穗 男聲(獨唱竝に合唱) 神坐しき、蒼空と共に高く、 み身坐しき、皇祖。 かなり我が中空、 窮み無し皇産靈、 いざ仰げ世のことごと、 天なるや崇きみ生を。 國成りき、綿津見の潮と稚く、 凝り成しき、この國土。 かなり我が國生、 おぎろなし天の瓊鉾、 いざ聽けよそのこをろに、 大八洲騰るとよみを。 皇統や、天照らす神の御裔、 代々坐しき、日向すでに

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方丈記

鴨長明

方丈記 鴨長明 行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。玉しきの都の中にむねをならべいらかをあらそへる、たかきいやしき人のすまひは、代々を經て盡きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。或はこぞ破れ(やけイ)てことしは

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方則について

寺田寅彦

科学の方則は物質界における複雑な事象の中に認められる普遍的な連絡を簡単な言葉で総括したものである。事実の言い表わしであって権利も義務も訓戒も含まれていない。しかし今ここで方則の定義や法律と方則との区別などを喋々しようとは思わぬ。ただかくのごとき方則というものが如何にして可能であるかという事に関して浅薄ながら半面観を試みたい。 方則が可能であるためには宇宙の均

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方向

中野鈴子

わたしはこの頃しきりに考える 自分というものについて わたしは下宿の二階に兄のくれる金で暮らしている それはわずかな金だ けれども兄の彼が夜ヒル書きつづける血のしたたりなのだ わたしはそれで米や炭をととのえ腹を満たしている わたしの仕事は詩を書くこと、文学の途をゆくことになっている わたしは机に向かって本を読む あるいは書こうとする けれども書けない わたし

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方子と末起

小栗虫太郎

方子と末起 小栗虫太郎 一、髪を切られる少女 (方子からの手紙) 末起ちゃん、お手紙有難う。 ほんとうにお姉さまは、末起ちゃんのために二年越しの敷布のうえがすこしも淋しくはありません。 行くんですってね……? まい日末起ちゃんは学校の裏庭へ行って、やまももの洞に彫ったあれを見ているそうね。 あたくしも、あなたと散歩した療養所裏の林の、白樺の幹を欠かさず見てい

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方言

折口信夫

方言 折口信夫 ○くびだけ 今は方言と言はれぬ語であるが、くびだけは首ばかりが水面に出てゐる様子で、沈湎・惑溺の甚しい事を言ふのだ、と思うてゐた処、大阪天満女夫池に、妻を追うて入つた夫の歌と言ふのに「水洩らぬ契りの末は首たけに思ひしづみし女夫池かな」極めて要領を得ぬ物であるが、首長とは着長に対した語で、頭をもこめた長の義であらう、と思ひあたつた。首が出る段で

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「せりふ」としての方言

岸田国士

私は新年号の中央公論に、「牛山ホテル」と題する戯曲を発表した。 仏領印度支那を舞台にとり、所謂海外出稼の天草女を主要人物として、その生活を描いてみた。 私は、勿論、それらの女たちに天草弁を使はせねばならぬと思つたが、うろ覚えの怪しい言葉では困るし、読者も可なり読みづらいだらうと思つたので、最初は、普通の言葉で書いてみた。ところが、まるで感じが出ない。この作品

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方言について

岸田国士

方言について 岸田國士 私は方言の専門的研究家ではないが、人一倍その魅力に惹きつけられる。十人十色といふ言葉は、人間の個性は個々に色別し得ることを指すに相違ないが、同一国語を使ふ同一国土の中で、地方々々に特有の言語的風貌といふものがあり、それぞれ、その地方に生れ、育ち、住む人々の気風を伝へることに於て、これくらゐ微妙で、正直なものはない。 人間といふものは、

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方言について

岸田国士

方言について 岸田國士 私は方言の専門的研究家ではないが、人一倍その魅力に惹きつけられる。十人十色といふ言葉は、人間の個性は個々に色別し得ることを指すに相違ないが、同一国語を使ふ同一国土の中で、地方々々に特有の言語的風貌といふものがあり、それぞれ、その地方に生れ、育ち、住む人々の気風を伝へることに於いて、これくらゐ微妙で、正直なものはない。 人間といふものは

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ソヴェトに於ける「恋愛の自由」に就て

宮本百合子

ソヴェトに於ける「恋愛の自由」に就て 宮本百合子 * ソヴェトは恋愛が自由である。 フランスも自由である。 そこでどう違うかということは、資本主義末期の個人主義的に恋が御互を拘束しないということから起って来る恋愛の自由だ。 男が或る女と関係して、嫌になって捨てる。女が妊娠しても男は責任を負わない。 それでも女は訴えるところがない。フランスの恋愛技術は男より数

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ゲーテに於ける自然と歴史

三木清

ゲーテの歴史に対する関係は単純に規定し得ぬものを含んでゐる。或る者はこの問題に否定的に答へ、ゲーテは歴史的意識を有しなかつたと主張する。そして彼等はその証拠としてゲーテが歴史について折にふれて語つた言葉の中から種々のものを挙げることができる。この関係で知られてゐるのはルーデンとのゲーテの対話である。彼はこの若い歴史家に向ひ、歴史に対する彼の不信、軽蔑をすらも

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旃陀羅考 日蓮聖人はエタの子なりという事

喜田貞吉

日蓮宗の宗祖日蓮聖人はエタの子なりという説がある。いわゆる特殊部落の人々の書いたものや、或いはその親しく語るところによると、某大臣は我が党の士である、某将官も我が党の士である、某々名士もまた我が党の士であるなどと、しきりに我が党の成功者を列挙するものの中に、歴史的の偉人としては、いつも日蓮聖人が数えられて、それをいわゆる部落民の誇りとしているのである。 日蓮

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