片山広子
片山広子 · japonés
Aun no hay traduccion. Solicita una para adelantar la fecha.
片山広子 · japonés
Vista previa del primer parrafo
Original (japonés)
蝙蝠の歴史 片山廣子 古いゲエルの伝説に出てくる蝙蝠の話を読むと、昔の昔から彼はきらはれものであつたらしい。蝙蝠にはいろいろの名があつたらしいが「黒い放浪者」といふのが一ばん詩的な名だとその伝説の筆者は書いてゐる。 世界の初めごろ蝙蝠は川蝉のやうに青い色で、胸は燕のやうに白く、そしてうるほひ深い大きな眼を持つてゐたから、その眼の色とひらめく羽根のうごきとで「きらめく火」といふ名でもあつたが、世の中が移り変つてその「きらめく火」が「黒い放浪者」とまでなつてしまつた。 キリスト「御苦難」の日の出来事である。一羽の駒鳥が飛んで来て十字架の上にくるしむキリストの手から足から茨の刺を抜かうとして、キリストの血で小さい胸を赤く濡らしてゐるとき、蝙蝠がひらひらその辺を飛び廻つて、「何と私は美しいだらう! 私が飛ぶのは早いだらう!」と自慢らしく鳴いた。キリストはお眼をふり向けて蝙蝠をごらんなされた。すると潮が引いてゆく時のやうに、青と白の色が蝙蝠の体から消えて行つた。蝙蝠はめくらになり黒い体になつてぱたぱた飛んで、折しも迫る夜の中にとび入り、暗黒の中に永久に溺れてしまつた。それからは黄昏と夜の世界にだ
片山広子
Estado de la traduccion
En esperaInicia sesion para solicitar una traduccion.
Otros libros de este autor
Preguntas frecuentes
Yes — completely free. This book is in the public domain, so Pagera offers the full text without payment or account requirement. Pagera is funded by advertising.
Lectura gratuita
Empieza a leer sin registrarte. Crea una cuenta gratis para más libros y funciones.