木下杢太郎 · 일본어
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원문 (일본어)
海郷風物記 木下杢太郎 夕暮れがた汽船が小さな港に着く。 點燈後程經た頃であるからして、船も人も周圍の自然も極めて蕭かである。その間に通ふ靜かな物音を聞いてゐると、かの少年時の薄玻璃の如くあえかなる情操の再び歸り來るのではないかと疑ふ。 艀舟から本船に荷物を積み入るる人々の掛聲は殊に興が深い。 「やつとこ、さいやの、どつこいさあ。」 「やれこら、さよな――。」 と、その「さよな」といふ所から、揃つた聲の調子が急に下つて行くのを聞くのは、眞に悲哀の極みである。諸ろの日本俗謠の暗潮をなす所の一種の哀調が、亦此裡に聞き出されるからである。 強ひて形容すれば、銅青石の溶けてなせるが如き冷き冬の夜の空氣の内に――その空氣は漁村の點々たる燈火をもにじませ、將た船の鐘の徒らに風に驚く響にさへ朗かなる金屬の音を含ませる程にも濃いのであるが――そのうちに、かの「やれこらさよな、やこらさのおさあ。」を聞かされるのであるから。 それからまた船が出て行くのである。人と自然との靜かなる生活の間を、黒い大きな船が悠然として悲しき汽笛を後に殘して航行を始める。 そのあとに、まだ耳鳴りのやうに殘つて居る謠の聲や人のさ
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木下杢太郎
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