永井荷風 · 일본어
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원문 (일본어)
新太郎はもみぢといふ銀座裏の小料理屋に雇はれて料理方の見習をしてゐる中、徴兵にとられ二年たつて歸つて來た。然し統制後の世の中一帶、銀座界隈の景況はすつかり變つてゐた。 仕込にする物が足りないため、東京中の飮食店で毎日滯りなく客を迎へることのできる家は一軒もない。もみぢでは表向休業といふ札を下げ、ない/\で顏馴染のお客とその紹介で來る人だけを迎へることにしてゐたが、それでも十日に一遍は休みにして、肴や野菜、酒や炭薪の買あさりをしなければならない。このまゝ戰爭が長びけば一度の休みは二度となり三度となり、やがて商賣はできなくなるものと、おかみさんを初めお客樣も諦めをつけてゐるやうな有樣になつてゐた。 新太郎は近處の樣子や世間の噂から、ぐづ/\してゐると、もう一度召集されて戰地へ送られるか、さうでなければ工場の職工にされるだらう。幸に此のまゝこゝに働いてゐて、一人前の料理番になつたところで、日頃思つてゐたやうに行末店一軒出せさうな見込はない。いつそ今の中一か八かで、此方から進んで占領地へ踏出したら、案外新しい生活の道を見つけることができるかも知れない。さう決心して昭和十七年の暮に手蔓を求め軍屬
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永井荷風
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