原民喜
原民喜 · japonés
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原民喜 · japonés
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Original (japonés)
潔が亡くなってから彼是一年になる。露子は彼から感染されて居た病気がこの頃可也進んで行った。早くから澄川病院に入院する様に父母を始めみんな勧めたが、潔のもと居た病院ではあるし、露子は気が進まなかった。そんな風に病勢をずるずる引伸して行くうちに、寒に入って凍てつくやうな日々が続いた。 ある日、露子は到頭喀血した。血の色を視ると、急に彼女は周章て出した。居ても立っても居られなく、母に縋りついて、さめざめと泣いた。その日、父は早速郊外の松田病院へ出掛けて入院の交渉をして来た。父は珍しく菓子折を提げて帰った。 「なあに、お前は潔とは違って、晴やかな人間だ。陽気な人間なら、この病気は病気の方から今に降参して来るよ。」と父は云ったが、さう云ひながらも、彼女が菓子を欲しがらうともしない有様を見ると、一寸口に出せない別の感じを抱くのであった。 夜になってから露子は睡つかれなかった。今日一日の経過が夢のやうに頭の裡に浮んで来る。これから先の不安と云っては、只住み慣れない病室に行かねばならぬと云ふこと位であった。それも潔の室で大体想像のつくことであった。だのに、どうも彼女はこれから大きな船に乗って出かけて行
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