大隈重信 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
諸君、今日は東京専門学校にとって最も喜ぶべき卒業式、且つ十五周年の祝典をも同時に挙行するというこの喜ぶべき式場に臨んで、卒業生諸君に向って一言陳ぶることを得るは私の大いに喜ぶところであります。しかしながら既に鳩山〔和夫〕校長の式辞とかあるいは近衛〔篤麿〕公爵の演説とかあって、諸君に向って大抵同じようなことを繰返された様でもあり、且つ随分暑い処に長く時を費やすことは甚だご来臨の諸君に対して御気の毒にも存じますから、ごく簡単に卒業生諸君に向って一言陳べまして、次にこの十五年の祝典について聊か私の考えを吐露しようと思います(拍手)。 卒業生諸君は数年勉強の結果、今日この名誉ある得業の証書を貰って始めて社会に御出になるのは、まずいわば複雑なる社会に於て勇戦奮闘する初陣である。ところがなかなか初陣というものはよほど六ヶしい。どうも諸君が向うところには種々の敵が沢山ある。種々の伏兵にも出会う。いま近衛公爵の御話の通りに道徳の腐敗あるいは社会の元気の沮喪などという、これは最も恐るべき敵である。既に出陣しない前に敵が現れて来ているのだ。この敵に向って諸君は必ず失敗をする。随分失敗をする。また成功がある

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