大隈重信 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
この春は京都同志社の創立者たりし故新島襄君の二十回忌に当るのである。我輩は君と相知ること深かりしにはあらねどまた因縁浅しということを得ない。況んや我輩もこの三十年間学校教育の事では苦労をしているのであるから、君の如き立派な人格と一定の主義を有する教育家が早世した事を憶い出すと実に残念で堪らぬ。 明治年間に功労ありし教育家は少なくない。しかし我輩の最も推服しているのは福沢先生と新島先生の二人である。福沢氏は大なる常識を備えてもっぱら西洋の物質的智識の教育を施し独立自尊の倫理を説き且つ実行した人、また新島氏は基督教主義の精神的教育を施した人で、遣り方はよほど異っていたけれども、両者共に独立不羈にして天下の徳望を博したる点に於ては他に比ぶ者がない。

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