小川未明 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
あちらの 森の ほうで、ふくろうが なきました。さむい 風が ふいて、ほしの ひかりは ふるようです。ぼくの おじさんの うちは、もっと もっと、とおい ところでした。 町を はなれて、どこか さびしい のはらを、でんしゃの はしる 音が ゴウゴウと きこえます。夜が ふけて、あたりが しんとしました。 けれど、ぼくの おじさんの うちは、もっと もっと、とおい ところでした。 夕日が 赤く 西へ しずんで、くもの いろが うつくしい 花びらのように、空を いろどります。そんな とき、ぼくは みちの 上に たって、ぼんやりと おじさんの うちを おもいだすのでした。 「いまごろ たけちゃんは どうして いるだろうか。」 と。 たけちゃんは ぼくと なかの いい、いとこでした。おじさんの うちへ いくには きしゃに のって、いくつも トンネルを とおり、山を こし、また 大きな 川に かかる てっきょうを わたり、二キロばかり あるかなければ なりません。 ある 年、ぼくが 秋の すえに いくと、にわに さざんかや きくの 花が さいて いました。はちは すでに いなく なったけれど、あ
小川未明
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