小川未明 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
ふたりの 子どもが、いえの そとに たって いました。 「どこの いぬだろうね。」 と、二郎くんが、ちゃいろの いぬを みて いいました。 「しらないけれど、いい いぬだね。」 と、たけおくんは いって、口ぶえを ふきました。すると、いぬは、おとなしく そばへよって きました。ふたりは、かわるがわる いぬの あたまを なでて やりました。 すなおな せいしつと みえ、からだつきも のびのびと して、どこか りこうそうな かんじが しました。 「おや、くびわが ないね。」 と、二郎くんは、ふしぎに おもいながら、 「おまえ、どこで おとして きたの、いぬころしに つかまるぞ。」 と、いぬに むかって いいました。 たけおくんも、それに 気づいて、じっと、目を こらして いましたが、 「すていぬじゃ ないかな。なんだか ようすが すこし さびしそうだ。」 と、まえに いぬを かった ことの ある けいけんから、いいました。 二郎くんは、ポケットに あった キャラメルを だして、みちの 上へ なげて やりました。しかし、いぬは それを みただけで、ひろって たべようと しませんでした。 二郎
小川未明
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