小川未明 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
太郎は、お父さんや、お母さんのいうことを聞きませんでした。竹馬に乗ることが大好きで、毎日、外へ出て竹馬に乗って遊んでいました。 竹馬の太郎といえば、村じゅうで、だれ知らぬものはないほどの腕白子でありました。まだ、やっと六つでしたけれど、大きな子供の中にはいって遊んでいました。 「太郎や、そんなに外に出て、遊んでばかりいてはいけない。お家へはいってお母さんのおてつだいをなさい。」 と、お母さんは、いっても、太郎は、ききませんでした。 太郎が、竹馬に乗って、走ったり、また跳ねたりするのを見ますと、それは、ほんとうにおもしろそうでありました。 「よく、まあ太郎さんは、あんなに高い竹馬に乗れたもんだ。目がまわるだろう。」 と、見た近所の人たちは、驚いたのであります。 竹馬に乗って走ると、それは早いのでした。だから、太郎は、大きな友だちにまじって鬼ごっこをしても、めったにつかまることはありませんでした。 かくれんぼをするときは、高い木の枝の上に、ぞうさなく登れました。また、屋根の上へもあがることができましたから、太郎は、なかなか見つけられませんでした。 秋になると、田舎は、圃や、野原にかきの木が
小川未明
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