小川未明 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
いま日本は、一面に戦い、一面に東亜建設の大業に着手しつつある。これは実に史上空前の非常時であるといわなければならぬ。それであるから、老若男女の別を問わず、各分に応じて奉公の誠をいたしつつある。 すなわち国民こぞって、この大業に参加しつつある訳で、農村に、都会に、涙ぐましい彼等の努力を認めることが出来る。 われら国民が、非常時に処する誠心誠意はかくの如くであるが、なおもっとはっきりと、その行くべきところを明らかにし、指導するものは、何といっても今日の政治でなければならぬ。 政治及び経済のはっきりとした姿こそ、やがて、それが教育や芸術の上にも反映することによって、進むべきところを定めるのであろう。 されば、政治の目的、理想の確立なきところには、未だ真の児童教化運動も起こり得ない筈である。この故に、一日も早く国民としては、政治の革新性と、実行力に信頼したいのである。 たとえば、新しい日本が、自由主義を揚棄しても、独伊の全体主義と軌を一つにするものではない。そして肇国の精神に立ちかえって、皇道の何たるかを深く体得して、その実現を期するものと思われる。世界無二の有難い国体と精神は、自らにして人類
小川未明
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