小川未明 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
お花は、その時分叔父さんの家に雇われていました。まだ十七、八の女中でありました。小学校へいっていたたつ子は、毎日のように叔父さんのお家へ遊びにいっていました。叔父さんも、叔母さんも、たつ子をかわいがってくださいましたから、ほとんど、自分の家も、かわりがなかったのであります。 叔父さんの家には、お花のほかに、もう一人お繁という女中がおりました。年はかえって一つか二つ、お花よりは少なかったかもしれませんが、よく働いて、よく気がついて、気の短い叔父さんの気にいりでありましたけれど、どういうものかお花は、よくいいつかったことを忘れたり、また、晩になると、じきに居眠りをしましたので、よく叔父さんから、小言をいわれていました。 「もっと、気をしっかりもたなければならんじゃないか。」と、叔父さんにいわれると、 「はい……はい。」といって、さすがに、顔を赤くして返事をしましたが、すぐ、その後から忘れたように、物忘れをしたり、夜になると居眠りをはじめました。 これにひきかえて、お繁のほうは、なにからなにまで、よく気がつきました。それでありますから、よく叔父さんにも、叔母さんにも、かわいがられていました。
小川未明
翻訳状況
待機中ログイン後に翻訳をリクエストできます。
よくある質問
Yes — completely free. This book is in the public domain, so Pagera offers the full text without payment or account requirement. Pagera is funded by advertising.
無料でご利用いただけます
会員登録なしですぐに読み始められます。さらに多くの書籍と機能は無料会員登録後にご利用いただけます。