北原白秋 · 일본어
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원문 (일본어)
心は安く、気はかろし、 揺れ揺れ、帆綱よ、空高く…… おそらく心からの微笑が私の満面を揺り耀かしていたことと思う。私は私の背後に太いロップや金具の緩く緩くきしめく音を絶えず感じながら、その船首に近い右舷の欄干にゆったりと両の腕をもたせかけている。 見ろ、組み合せた二つのスリッパまでが踊っている。金文字入りの黒い革緒のスリッパが。 心は安く、気はかろし、 揺れ揺れ、帆綱よ、空高く…… 私の今度の航海は必ずしも物の哀れの歌枕でも世の寂栞を追い求むる風狂子のそれでもなかった。ただ未だ見ぬ北方の煙霞に身も霊もうちこんで見たかったのである。ほとんど境涯的にまで、そうした思無邪の旅ごころを飽満さしたかったのだ。南国生れの私として、この念願は激しい一種の幻疾ですらあった。いまこそ私は年来の慾望を果し得ることを喜んでいい。私はまさしく樺太観光団の一員として、この壮麗な高麗丸の甲板上にある。 心は安く、気はかろし、 揺れ揺れ、帆綱よ、空高く…… ハロウとでも呼びかけたい八月の朝凪である。爽快な南の風、空、雲、光。 なんとまた巨大な通風筒の耳孔だろう。新鮮な藍と白茶との群立だ。すばらしい空気の林。 なんと
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