喜多村緑郎 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
人として一つの癖はあるものよ、吾れにはゆるせ敷島の道。……これはよく落語家が枕にふる言葉ですが、……無くて七癖、有つて四十八癖、といつて誰にもあるんでせうが、さうなるとわたしには、夜更をするのが癖の一つでした、……わたしの若い時分の時間でいふと十二時頃寝るのは罪悪のやうな気がしたもんです。それで居て朝寝坊は厭ひでしたから……恐らくまづ寝る間は三四時が関の山でしたらう、……最も現在でも一晩や二晩の徹夜なら平気です。でも此のせつでは五六時間は眠ります。が、まあ夜ふかしの方でせう。そのかはり昔から枕につくと殆どすぐ眠れます。 さういつた訳合ひで、昼間随時に居眠ることが多いんです。稽古場の読合せなどの時さへ一寸でも間があると、台詞書を膝に開げたまゝで夢の国へ遊びに行きます。ですから、一座のものには、そのポーズが居眠りをして居ると分つて居ても、わたしは俗にいふ船を漕ぐといふ方でなく、不動の姿勢で居るために、その習慣を知らないものにはさらに気がつかないんです。ところが、その延長で舞台でも眠る悪る癖がありました。 武士は轡の音で目を覚ますの喩で、正にいざといふ時には不思議に目が醒めますね。詰り神経は
喜多村緑郎
翻訳状況
待機中ログイン後に翻訳をリクエストできます。
この著者の他の作品
よくある質問
Yes — completely free. This book is in the public domain, so Pagera offers the full text without payment or account requirement. Pagera is funded by advertising.
無料でご利用いただけます
会員登録なしですぐに読み始められます。さらに多くの書籍と機能は無料会員登録後にご利用いただけます。