金鍾漢 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
きみは 半島から来たんぢやないですか だうりで すこし変つた顔をしてゐると思つた でも そんな心細い思ひをすることはないですよ ほら 松花江の上流からも はろばろ 南京の街はづれからも 来てゐるではないか スマトラからも ボルネオからも いまには 重慶の防空壕からも やつてくるでせう では みんな並んで下さい おお 砲口のやうだ 整列されてゐる口の横隊 それは 待つてゐる 待ちあぐんでゐる タクトの指さす方向へ 未来へ やがて 声の洪水が発砲されるでせう くりひろげられた 煙幕のやうに 余韻は渦巻いて 渦巻いて流れるでせう このステエジの名を きみは知つている このステエジの名を ぼくも知つている ほら タクトが上つたではないか 指揮刀のやうだ もはや 私にはいふべき言葉がない ただ 歌ふことだけが残されてゐる 声をかぎりに ただ 歌ふことだけが残されてゐる ●図書カード
金鍾漢
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