国枝史郎 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
探偵小説が一時より衰えたことは争われない。 雑誌が少くなった。大衆雑誌へもあまり探偵小説を掲載しなくなった。新聞へはほとんど全く探偵小説をのせなくなった。単行本も出さなくなった。 × 何故衰えたか? わかりきった話だ。 作が面白くなく、読者大衆が支持しなくなったからだ。 × 何故探偵小説が面白くなくなったか? わかりきった話だ。 既成作家がロクな作を書かず、新進作家にロクな者が出ないからだ。 × 探偵小説は大衆文学の型として洵に好適なものだ。 大衆文学マゲ物と称するやつも、おおよそ探偵小説の型を活用している。 曾て探偵小説家であった僕などは、今でも最も探偵小説の型を活用して創作している。 大衆文学マゲ物は、今日ますます盛んだ。衰えるどころの騒ぎでは無く、将来いよいよ盛んになるだろう。 では、純粋の探偵小説も、盛んにならなけりゃァ不可ないじゃァないか。 どうしたら盛んになるか? わかりきった話だ。 既成作家が勉強してよい作を書き、新進作家のよい奴がもっと沢山出てよい作を書くより仕方ないじゃァないか。 × 勉強といったところで何も欧米の探偵小説を読んだり、トリックの研究をするばかりが勉強で
国枝史郎
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