桑原隲蔵 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
私の講演題目は「支那の古代法律」と云ふのであります。今日から見ますとやや時代離れをして居つて、現代生活には關係がないようにも考へられますが、必ずしもさうではないと思ひます。此頃、いろいろ新しい思想が日本に入つて來て居りますが、新しい思想が盛んに行はれて來ると、當然その反動として自國の囘顧と云ふ事が行はれる。既に日本などにもさう云ふ氣分が見えて來て居りまして、或は國粹會、或は建國會、近頃では東京に國史囘顧會と云ふやうなものも出來て居ります。又いろいろ教育界方面の希望もあつて、國史の教授を盛んにする氣運も動き、また確か今年あたりから、これ迄高等文官の試驗にも今迄に無かつた日本の法制史といふ新科目をも加へることになつて居ります。日本の過去を囘顧して、日本と云ふ國はさう外國の眞似ばかりもして居れぬ、日本の國の特質をも考へなければならぬと、さうした自省が行はれますと、當然、支那の古代の文化と云ふことに觸れて來るのであります。 それは云ふ迄もなく日本の過去が支那の文化とは離るべからざる密接な關係をもつて居つたからであります。かう考へて來ますと、今私の講演の題になつて居る「支那の古代法律」と云ふこと

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