コロレンコウラジミール・ガラクティオノヴィチ
コロレンコウラジミール・ガラクティオノヴィチ · 日本語
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コロレンコウラジミール・ガラクティオノヴィチ · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
一 己はこのシベリア地方で一般に用ゐられてゐる、毛織の天幕の中に住んでゐる。一しよにゐた男が旅に出たので、一人でゐる。 北の国は日が短い。冷たい霧が立つて来て、直ぐに何もかも包んでしまふ。己は為事をする気になられない。ランプを点けるのが厭なので、己は薄暗がりに、床の上で横になつてゐる。あたりが暗くて静かな時には、兎角重くろしい感じが起るものである。己はせうことなしに、その感じに身を委ねてゐる。さつきまで当つてゐた夕日の、弱い光が、天幕内の部屋の、氷つた窓から消えてしまつた。隅々から這ひ出して来たやうな闇が、斜に立つてゐる壁を包む。そしてその壁が四方から己の頭の上へ倒れ掛かつて来るやうな気がする。暫くの間は、天幕の真ん中に据ゑてある、大きな煖炉の輪廓が見えてゐた。この煖炉が、己の住んでゐるヤクツク地方の人家の、極まつた道具で、どの家でも同じやうな、不細工な恰好をしてゐる。その内広がつて来る闇が、とうとう煖炉を、包んでしまつた。己の周囲は只一色の闇である。只三個所だけ、微かに、ちらちら光つてゐる所がある。それは氷つた窓である。 何分か立つたらしい。何時間か立つたらしい。己はぼんやりして、悲
コロレンコウラジミール・ガラクティオノヴィチ
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