桜間中庸 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
生を享けた喜びを感じなければならない。 健全な兩親を持つ幸福を知らなければならない。 教育を與へられる幸ひを思はねばならない。 そして最もよく自己を活かす道を選び、それに邁進しなくてはならぬ。 自己の成長が社會に直接に意義あるやうにしなければならない。 人格の定義を明瞭に知らねばならない。 道徳は社會思潮の變遷と共に變化するものである。 功利的な立場に自己を置くことの如何に卑劣なるかを充分心得ねばならない。 自己を高く買はれることは不幸なことである。 實際の價値より高く賣つた品物の眞價が發見せられる日を想ふことは恐しいことである。その品物が自分といふものである時は殊更。冐險か、着實か、功利か、謙讓か、成功か、安立か、人生の意義に徹すれば選ぶに迷ふことなからん。 明日を想ふことは理想的であるといふより正しい意味で最も現實的である。唯、今日を忘れては意義をなさぬ。 果實で最も重要な點は核である、だが吾々から云へば果肉こそ最も値を高くつける所である。 藝術の本質は果實に於ける核の如きものであらうか。それ自身極めて重要なものにも係らず吾々にはたゞその周圍をかぢり散らし、その甘さに醉つて核の存在
桜間中庸
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