佐々木味津三
佐々木味津三 · 日本語
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佐々木味津三 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
1 ――その第四番てがらです。 すでにもうご承知のごとく、われわれの親愛なる人気役者は、あれほどの美丈夫でありながら、女のことになると、むしろ憎いほどにも情がこわくて、前回の忍の城下の捕物中でも、はっきりとそのことをお話ししておいたとおり、尋常な女では容易なことに落城いたしませんので、右門を向こうへ回してぬれ場やいろごとを知ろうとするなら、小野小町か巴御前でも再来しないかぎり、とうてい困難のようでございますが、まてば海路のひより――いや、捕物怪奇談でございますから、海路ではなくて怪路のひよりとでもしゃれたほうがいきでしょう。それほどの石部金吉なむっつり右門が、今回の四番てがらにばかりは珍しくも色っぽいところも少少お目にかけることになりましたから、まことに春は価千金、あだやおろそかにはすべからざるもののようです。 ところで、その事件の勃発いたしましたのは、右門がおなじみのおしゃべり屋伝六とともに、前節の忍の城下から江戸へ引き揚げてまいりまして約半月後の六月初めのことでございましたが、普通ならばあのとおり遠い旅先へてごわい大捕物に行ってきたあとでございますから、月の十日や半月ぐらい大手をふ
佐々木味津三
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