佐藤春夫 · 일본어
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원문 (일본어)
某年某月某日――この日づけは當時の彼の手紙を見ればはつきりわかる。その頃の手紙は二通か三通――全集にも未收のものが保存してある――ただ北海道にゐる弟が珍重して持つて行つてしまつて返却しない。手もとに置く必要があると幾度も言つてやるのに今だに返却しない。甚だ困る不都合千萬である。この男は何でも人のものを欲しがつて困る。本號にもこの手紙のうつしでも提供すれば有益なのに、それが出來ないので、腹が立つて來るのである。(この切り拔きを愚弟へ送りつけてやるつもりだ。)それで或る日、年ははつきり覺えぬが二月か三月春のまだ淺い日であつた。はじめて芥川を訪問した。その前に二三度手紙の往復はしてゐたし江口などを通じて間接には交友關係を生じてゐたが、面會するのはこの日がはじめてであつた。留守をおそれてゐたが幸ひ在宅のやうであつた。客があるのか門前には車が待つてゐた。取次の女中が要領を得ない樣子だつた。見なれない顏だからだと思つて名刺を渡してそれをともかくも通じて貰ふことを頼んだ。すると彼はわざ/\玄關へ現れて、鄭重に自分で二階へ招じた。主客ともにお時宜だけは鄭寧にしたが初對面の挨拶といふやうな堅固しいものは
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佐藤春夫
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