三遊亭円朝 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
一 今日より改まりまして雑誌が出版になりますので、社中かわる/″\持前のお話をお聴に入れますが、私だけは相変らず人情の余りお長く続きません、三冊或は五冊ぐらいでお解りになりまする、まだ新聞に出ませんお話をお聴に入れます。これは明治四年から六年まで、三ケ年の間お話が続きます、実地あったお話でございます。さて俗語に苦は楽の種、楽しみ極まって憂いありと申しますが、苦労をなすったお方でなければ只今、お楽になって入らっしゃるものはございません。大臣参議と雖も皆戦争の巷をくゞり抜け、大砲の弾丸にも運好く中らず、今では堂々たる御方にお成り遊ばして入らっしゃるのでございますがまだ開けません時分、亜米利加という処は何ういう処か、仏蘭西はどんな国だか分らない中に洋行をなさいまして、然うしてまた何うも船の機械も只今ほど宜く分っても居りませんでしたのに、危険を凌ぎ、風波を冒して大洋を渡りなど遊ばして苦心をなすったから、只今では仮令お役所へお出で遊ばさないでも、年金を沢山お取り遊ばすというのも、その苦労をなさいましたお徳でございます、だから余り楽をしようと思うと、却って是が苦しみになりますことで、私などは毎日喋
三遊亭円朝
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