高村光太郎 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
自分と詩との関係 高村光太郎 私は何を措いても彫刻家である。彫刻は私の血の中にある。私の彫刻がたとい善くても悪くても、私の宿命的な彫刻家である事には変りがない。 ところでその彫刻家が詩を書く。それにどういう意味があるか。以前よく、先輩は私に詩を書くのは止せといった。そういう余技にとられる時間と精力とがあるなら、それだけ彫刻にいそしんで、早く彫刻の第一流になれという風に忠告してくれた。それにも拘らず、私は詩を書く事を止めずに居る。 なぜかといえば、私は自分の彫刻を護るために詩を書いているのだからである。自分の彫刻を純粋であらしめるため、彫刻に他の分子の夾雑して来るのを防ぐため、彫刻を文学から独立せしめるために、詩を書くのである。私には多分に彫刻の範囲を逸した表現上の欲望が内在していて、これを如何とも為がたい。その欲望を殺すわけにはゆかない性来を有っていて、そのために学生時代から随分悩まされた。若し私が此の胸中の氤を言葉によって吐き出す事をしなかったら、私の彫刻が此の表現をひきうけねばならない。勢い、私の彫刻は多分に文学的になり、何かを物語らなければならなくなる。これは彫刻を病ましめる事で
高村光太郎
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