高群逸枝 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
日本歴史の新しい検討ということがもとめられている。女性史の一研究者として、私はこの際若干の感想をのべてみたい。わが国の歴史研究が狭く浅く、政治史にかたよっている点は、すでに多くの人からいわれてきたとおりであるが、敗戦を機会にそれらのことはむろん反省せられねばならない。 根本の問題は学問の自由、真理の探求であるが、学者がつねに政治的制圧をうけることはまぬがれえない。 私の経験からいえば、女性史なども、なにか社会や男性に反抗する危険思想ででもあるかのように思われがちで、ずいぶん不愉快な圧迫や俗見とも戦わねばならなかった。 私は、昭和十三年に、足かけ八年の労作になる女性史第一巻を「母系制の研究」として世に出した。この題目など、とくに、現行家族制の父系思想からみて、好ましくない印象をもたれたことも、うなずけないことではない。私は江戸時代の儒者たちが、天照大神の男性説を唱えねばならなかった心持がいまだに残って学問研究を妨げているのを残念に思う。 上梓に際し、出版書肆からは、わざわざ当局の注意事項が伝達された。それはかなり非常識なものであった。 学問の自由について、なお一つ付け加えたいことは、歴史
高群逸枝
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