種田山頭火 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
晴、汽車で五里、味取、星子宅。 私はまた旅に出た。―― 『私はまた草鞋を穿かなければならなくなりました、旅から旅へ旅しつゞける外ない私でありました』と親しい人々に書いた。 山鹿まで切符を買うたが、途中、味取に下車してHさんGさんを訪ねる、いつもかはらぬ人々のなさけが身にしみた。 Sさんの言葉、Gさんの酒盃、K上座の熱風呂、和尚さんの足袋、……すべてが有難かつた。 積る話に夜を更かして、少し興奮して、観音堂の明けの鐘がなるまで寝つかれなかつた。

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