田山花袋 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
バザンの田園小説を二三册讀んだ。描寫などに稍々新らしい匂ひのする處がないでもないが、何うも全體の上の感じは餘りよくなかつた。“This, my son”など親と子といふ深い關係を材料にして居りながら、其中心にはねつから觸れたところはなく、其親に背いて巴里に出た息子の末路なども、作者に豫め成心があつて、さうした運命を得させたやうな氣がした。殊に息子の戀に就ての描寫が淺薄で、いかにも斧鑿の痕が歴々と見え透いて居るのは拙いと思ふ。それに、強いて誇大な事件をつくり出すのが、一番厭である。 ●図書カード
田山花袋
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