辻潤 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
自分だけの世界 辻潤 これは読者のためではなく寧ろ自分の覚え書きのつもりで書いて置くのである。だが読者にも何等かの参考にならないとも限らない。自分はこの書(自我経)を訳了した時にはなんとなく仕事らしい仕事を片付けたような気がした。他の人から見たらなんでもないことかも知れないが自分だけには意味がありそうに思われたのである。 自分は十年も前に読み始めた本をやっと今頃になって訳了したのである。翻訳の意志は元来此書を読み始めた時から萌してはいたがそれを何時始められるか、又何時終わるかはまるで見当がついていなかったし、よし訳したところで出版が果して可能であるか否かさえ勿論わからなかったのである。それにこの難解な書物を自分でよく訳了し得るかどうかということも頗る疑問であった。今、自分はそれでも「やっと片付けた」と考えると少しは嬉しいような気持にもなるのである。 自分はこれを完全な翻訳だなどと公言することは遠慮しよう。なぜなら重訳である上にかなり無理が伴っているからである。それは第一僕自身のカルチュアに原因してはいるが、自分の経済的不如意が、どうしても落ちついてこの仕事をさせるようにしないからである
辻潤
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