中原中也 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
生きのこるものはづうづうしく、 死にゆくものはその清純さを漂はせ 物云ひたげな瞳を床にさまよはすだけで、 親を離れ、兄弟を離れ、 最初から独りであつたもののやうに死んでゆく。 さて、今日はよいお天気です。 街の片側は翳り、片側は日射しをうけて、あつたかい けざやかにもわびしい秋の午前です。 空は昨日までの雨に拭はれて、すがすがしく、 それは海の方まで続いてゐることが分ります。 その空をみながら、また街の中をみながら、 歩いてゆく私はもはや此の世のことを考へず、 さりとて死んでいつたもののことも考へてはゐないのです。 みたばかりの死に茫然として、 卑怯にも似た感情を抱いて私は歩いてゐたと告白せねばなりません。 ●図書カード
中原中也
翻訳状況
待機中ログイン後に翻訳をリクエストできます。
よくある質問
Yes — completely free. This book is in the public domain, so Pagera offers the full text without payment or account requirement. Pagera is funded by advertising.
無料でご利用いただけます
会員登録なしですぐに読み始められます。さらに多くの書籍と機能は無料会員登録後にご利用いただけます。