ファン・ゴッホフィンセント
ファン・ゴッホフィンセント · 日本語
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ファン・ゴッホフィンセント · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
ゴオガン兄 お手紙ありがたう。殊に二十日には來るといふ兄の約束に感謝する。たしかに、兄の言ふ理由(ゴオガンの痢病)は、愉快な汽車旅行をさせないに違ひない。厭な思をせずに旅行の出來るまで兄の旅行を延ばすとしても無理ではない。しかし、其を別にすれば、私はこの秋のすばらしい色々違つた自然の諸國の土地々々を通りすがりに兄に見せる旅行が殆ど羨ましい。此冬パリからアアルへ來た途中で受けた感動を私はいつでも今だに自分の記憶の中に持つてゐる。まるで既に日本にでも來たやうに見した事だつた。兒戲のやうだが。 そこで、此間私の視力が變に疲れた事を書きましたね。ところで、私は二日半休息して、それから又仕事にかかつた。だがまだ野天へ出る事は敢てしない。私は、いつも例の裝飾の爲だが、兄の知つてゐる白木の家具のある私の寢室を三十號の畫布にかいた。 さて、此のスユウラ式に單純な、何も無い室内畫をかくのが馬鹿に面白かつた。平たい色調で、しかし繪具をたつぷり使つて、荒つぽい筆で畫いた。壁は薄い紫。床はこなれた薄つぽい赤。椅子と寢臺とはジヨオン ド クロオム(クロオム黄)。枕と敷布とはずつと薄いシトロン ル(緑黄)。かけ蒲
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