ホワイトフレッド・M
ホワイトフレッド・M · 日本語
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ホワイトフレッド・M · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
デイリーチャット紙の編集部長がいぶかった。いったい自分は何で会社に居残ったのか。 手元の温度計は摂氏零下一〇度まで下がり、夜明け前に摂氏零下一八度に下がりそうだし、朝刊は、気象記事だけでは埋められない。 さらに、北トレント以北の情報は一切なく、電信と電話が不通とのこと。外は猛吹雪と大雪、すさまじい寒気と静寂に襲われている。 あした一月二十五日の新聞は記事不足になる。ただしアメリカが使命感に燃え、当座の新ネタを何か送ってくれば別だ。島端電報がよくそんな方法で喜ばせてくれた。 たとえば牛肉パン商社という記事の続編。はたしてサイラス・ブレットは世界の食料を買い占めることができるのか。ブレットは一年前、質屋の店員で、何ら重要人物じゃなかった。いつ文無し相場師を脱したのかはどうでもいい。新聞社の観点では三段の値打ちがある。 編集次長が駆け込んできて、両手をフーフー。骨の髄まで凍えているようだが、同情に及ばない。 「あした葬儀新聞になるぞ」 と部長がブスッと言った。 でもゴーフ次長は上機嫌だ。 「そうですね。いまテムズ川が通行不能になった衝撃的な細密画が仕上がりましたよ。北極気候が回復するのは一週
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