牧野信一 · 일본어
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원문 (일본어)
私は「喜劇考」と題して喜劇の発生に関する物語を、宇宙万物の流転の涯しもない煙りが人々の胸に炎えて怖ろしく佗しい道をたどつて行く原始人の底知れぬ落莫感に起因したといふ話を聞いて、自分達の住んだ村の風景を描写することで叙述したことがあるが、喜劇も悲劇も発生の混沌時代にあつては、断じて笑ひとか涙とかで分類出来ぬ――単に人間の、壮麗な宇宙と卑小な生命に戦く恐怖と憧憬の歌に源くのみであつた。 不図私は今思ひ出したのであるが、「悲劇は――」と――。だが、これは夢でもなく、また私の勿論創作でもなく、たしかに田舎の水車小屋の二階で読んだ何かの書物からの思ひ出であるが、書名が思ひ出せぬ。またその薔薇とマートルの花を自分で描いた表紙の、そしてまた裏表紙には、詩人ホメロスがロータスやマールの花が咲き乱れてゐる花園に寝てネクタアの大盃を挙げながら――神々も眠り、人々も眠り夜はわが花園に冴へ、死の国の静けさ――あれはツロイの陣営か、耳をそばだてると、徐ろに聞えて来る、縷々として絶間なく夜をこめて、管笛と竪笛と琴の合奏が、悦ぶが如く、悲しむが如く――左ういふ自作の歌をうたつてゐる孤独の婆が描かれてゐる大型の私のき
牧野信一
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