三宅花圃 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
藪の鶯 三宅花圃 第一回 男「アハハハハ。このツー、レデースは。パアトナアばかりお好きで僕なんぞとおどっては。夜会に来たようなお心持が遊ばさぬというのだから。 甲女「うそ。うそばかり。そうじゃござりませんけれども。あなたとおどるとやたらにお引っ張り回し遊ばすものですから……あの目がまわるようでござりますんで。そのおことわりを申し上げたのですワ。 男「まだワルツがきまりませんなら願いましょうか。 ときれいにかざりたるプログレムを出して名を書きつける。 男「では今に」とこの男は踏舞の方へゆく。つづいてあまたの貴嬢たちは皆其方に行きたりしあとに残れる前のふたりのむすめ。 甲女「あなた今のお方御ぞんじ。 乙女「エーあの方は斎藤さんとおっしゃって。宅へもいらっしゃりました。 甲女「オヤさようでござりましたか。わたくしはこの間おけいこの時お名をはじめてしりましたよ。もとからよくおみかけ申す方でしたが。なんですか少し軽卒なお方ねえ。そうしてお笑い声などが馬鹿に大きゅうござりまして変な方ですねえ。 乙「デモあの方は学問もおあり遊ばして。なかなか磊落なよい方でござりますヨ。 と互いにかたらうこの二嬢は。
三宅花圃
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