岸田国士 · 일본어
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원문 (일본어)
洪次郎 紅子 基一郎 東京市内のある裏通りで、玄関の二畳から奥の六畳へ是非とも茶の間を通つて行かねばならぬ不便な間取りの家。 座敷には瀬戸の丸火鉢が一つと、床の間にヴアイオリンのケースが置いてある。茶の間には粗未な鏡台。羽織を重ねたまゝの女の外出着が、だらしなく壁にかゝつてゐる。神棚の上に、麦藁帽子が仰向けにのつてゐることゝ、座敷と茶の間に跨つて、チヤブ台とも机ともつかぬものが、薬缶とインキ壺とを並べて載せたところとが、なんとなく気にかゝる。 冬の夕方である。 この家の主人洪次郎が、外套の襟を立てゝ、勢よく玄関から上つて来る。いきなり座敷にはいり、中腰で火鉢に手をかざす。 洪次郎 (勝手の方へ話しかけ)驚いたよ。何処へ行つてもみんな留守さ。梶山は昨夜出たまゝ帰らないつていふし、杉野は、親戚へお通夜に行つたといふし、浦田は、たつた今、和服と着かへて出たと云ふんだ。こいつは、大概、行く先がわかつてるんだが、人前だと、あいつ、妙に横平になりやがるから、話がしにくいよ。(話しかけてゐるつもりの相手が、一向返事もせず、姿を現はす様子もないので、そろそろ気がゝりになり、ちよつと、勝手の方をのぞい
岸田国士
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