Vol. 2May 2026

도서

공개저작물 세계 지식 라이브러리

14,981종 중 5,160종 표시

匈奴の森など

堀辰雄

秋になりました。夏の間、A山の向う側にあるいくつかの牧場に預けられてゐた牛どもも、再びこの村に歸つてきました。その背なかの黒い斑は、なんだか私には、さまざまな見知らぬ牧場の地圖のやうに懷かしく見えるのです。夏ぢう少年や少女たちの乘りまはしてゐた馬どもも、この頃はせつせと刈草を背負つて、村を通り過ぎます。いまから冬の間の食物を貯めるのですが、その刈草の中にはあ

JA
원문만

うどんのお化け

古川緑波

目下、僕は毎日、R撮影所へ通って、仕事をしている。そして、毎昼、うどんを食っている。 此の撮影所は、かなり辺鄙な土地にあるので、食いもの屋も、碌に無い。だから、一番安心して食えるのは、うどんだと思って、昼食には、必ず、うどん。そのせいか、大変、腹具合はいい。 そばも食いそうなものだが、僕は、そばってものは嫌い。嫌いと言うよりも、そばを食うとたちまち下痢する。

JA
원문만

化学改革の大略

清水卯三郎

西哲の学術における、おのおのその学派にしたがいて社を結び、彼の学ぶところは我が知らざるところを補い、我が知るところは彼の学ばざるところに充て、もって相交換し、もって相討論して、しかしてその説を定む。化学のごときもまた、また然り。 数年以来ポトアシクソルフェート(すなわち硫酸剥篤亜斯)、ポトアシクヨテェート(すなわち沃酸剥篤亜斯)、ソヂクカルボナァート(すなわ

JA
원문만

化学調味料

北大路魯山人

化学調味料は近来非常に宣伝されているが、わたしは化学調味料の味は気に入らない。料理人の傍らに置けば、不精からどうしても過度に用いるということになってしまうので、その味に災いされる。わたしなどは化学調味料をぜんぜん調理場に置かぬことにしている。化学調味料も使い方でお惣菜的料理に適する場合もあるのだろうが、そういうことは純粋な味を求める料理の場合には問題にならな

JA
원문만

化物丁場

宮沢賢治

化物丁場 宮沢賢治 五六日続いた雨の、やっとあがった朝でした。黄金の日光が、青い木や稲を、照してはゐましたが、空には、方角の決まらない雲がふらふら飛び、山脈も非常に近く見えて、なんだかまだほんたうに霽れたといふやうな気がしませんでした。 私は、西の仙人鉱山に、小さな用事がありましたので、黒沢尻で、軽便鉄道に乗りかへました。 車室の中は、割合空いて居りました。

JA
원문만

化け物の進化

寺田寅彦

化け物の進化 寺田寅彦 人間文化の進歩の道程において発明され創作されたいろいろの作品の中でも「化け物」などは最もすぐれた傑作と言わなければなるまい。化け物もやはり人間と自然の接触から生まれた正嫡子であって、その出入する世界は一面には宗教の世界であり、また一面には科学の世界である。同時にまた芸術の世界ででもある。 いかなる宗教でもその教典の中に「化け物」の活躍

JA
원문만

化生のもの

豊島与志雄

化生のもの 豊島与志雄 小泉美枝子は、容姿うるわしく、挙措しとやかで、そして才気もあり、多くの人から好感を持たれた。海軍大佐だった良人を戦争で失い、其後、再婚の話も幾つかあったが、それには耳をかさず、未亡人生活を立て通していた。書生が一人、奥働きの女中が一人、下働きの女中が一人、それだけの家庭で、なお遠縁に当る中学生を一人預っている。近所の評判もよかった。

JA
원문만

化粧

神西清

化粧 神西清 これは昔ばなしである。―― 二人はおさない頃から仲よしだつた。家は大和の国の片ほとり、貧しい部落に、今ならばさしづめ葭簀ばりの屋台で、かすとり焼酎でも商なふところか、日ごとに行商をして暮らしを立てる、隣どうしであつた。 幼い二人は背戸の井筒のほとりで、ままごとや竹馬あそびをしてゐた。遊びにあきると二人で井筒に寄り添つて丈くらべをした。年は少年が

JA
원문만

お化けとまちがえた話

小川未明

ある田舎に、二郎という子供がありました。よく隣の家へ遊びにゆきました。 その家には、二郎といっしょになって、遊ぶような子供はなかったけれど、女房は、二郎をかわいがってくれました。 「おばさん、あの赤いかきの葉をとっておくれよ。」と、二郎は、裏にあったかきの葉をさしていうと、女房は、仕事をしながら、 「いま、これが終えたら、取ってあげますよ。」 と答えて、仕事

JA
원문만

お化の面

田中貢太郎

怪談浪曲師浪華綱右衛門の家に、怪奇なお化の面があった。縦が二尺横が一尺で、左の眼は乳房が垂れさがったように垂れて、右の眼は初月のような半眼、それに蓬蓬の髪の毛、口は五臓六腑が破れ出た血に擬わして赤い絵具を塗り、その上処どころ濃鼠の布で膏薬張をしてあった。 それは初代林家正蔵が秘蔵していた物であった。その正蔵が百六歳の長寿を保って、沼津で歿くなった際、形見とし

JA
원문만

北の不思議な話

小川未明

おせんといって、村に、唄の上手なけなげな女がありました。たいして美しいというのではなかったけれど、黒い目と、長いたくさんな髪を持った、快活な女でありました。機屋へいって働いても、唄がうまいので、仲間からかわいがられていました。 これらの娘たちは、年ごろになると、たいていは近傍の村へ、もしくは、同じ村の中で嫁入りをしましたのに、どうした回り合わせであるか、おせ

JA
원문만

北京の一夜

田山花袋

突然私は犬の凄じく吼える声が夜の空気を劈いてきこえて来るのを耳にした。私にはすぐわかつた。それは平塚領事夫妻の伴れて来てゐた犬に相違なかつた。あの長平丸の一等船室の下のところで、箱の中に入れられて、頻りにさびしがつて吼えてゐたあの大きなドイツ種の犬に……。 私は微笑した。矢張此処に来て泊つてゐるな! と思つた。つゞいて私の心はさうして遠くに行く夫妻のことでま

JA
원문만

北京「可園」のスケッチ

小林古径

このスケッチは元華北交通會社にゐられた加藤新吉さんの北京のお宅で描いたもので……加藤さんの隨筆「可園雜記」の口繪とかにするために描いたものです。何んでも相當な大官の建てたものらしく古い宏壯な邸宅で庭園もさびれてはゐるが廣く、大きな樹木が繁り岩石が澤山入れてあり、築山の墜道をぬけて登ると七角型の亭があり長い廊がぐらされてゐる。水はかれてゐたが底が石敷きの深い池

JA
원문만

北京の生活

長谷川時雨

北京の生活 長谷川時雨 そのころ、義弟の住居は、東三條胡同といふ、落着いた小路にあつて、名優梅蘭芳の邸とおなじ側にあつたが、前住のふらんす婦人の好みで、多少ふらんす風に改築された支那家屋だつた。 であるからかも知れないが、玄關をはいると、水族館とも箱庭式ともどつちともつかない、噴水と泉水と、花壇と鉢植の一間があつて、夜は花やかな電燈が點くやうになつてゐる。地

JA
원문만

北京・青島・村落

豊島与志雄

北京・青島・村落 豊島与志雄 大平野の中で、吾々は或る錯覚を持つことが多い。丘陵とか、森とか、工場の煤煙とかが、視線を遮ることなく、遙かに地平線まで見渡せる場合、つまり、視線に対する抵抗物が平野の上に何もない場合には、その地平線の彼方に海があるような錯覚を起すのである。これは、四方海にかこまれた陸地に、そして常に視線に対する抵抗物の多い陸地に住む者の、常態で

JA
원문만

北信早春譜

野上豊一郎

北信早春譜 野上豐一郎 碓氷を越すと一面の雪で、急に冬へ逆戻りしたやうな感じであつた。さつきまでぽかぽかと早春の陽光を浴びながら上州平野を通つてゐた時とは、まるでちがつた心がまへにならないではゐられなかつた。輕井澤のプラットフォームに飛び下りて、蕎麥のどんぶりを抱へて湯氣を吹き吹き食つてゐる人たちは、皆外套の襟を立てて首をすくめてゐる。毎夏顏なじみの赤帽の爺

JA
원문만

北の冬

小川未明

私が六ツか七ツの頃であった。 外の雪は止んだと見えて、四境が静かであった――炬燵に当っていて、母からいろんな怖しい話を聞いた。その中にはこんな話もあったのである。 毎晩のように隣の大貫村に日が暮ると赤提燈が三つ歩いて来る。赤い提燈は世間に幾らもある。けれども何の提燈でも火を点すと後光が射すのが普通だ。然るにその提燈に限って後光が射さない。その赤い提燈は十間ば

JA
원문만

北と南

坂口安吾

北と南 坂口安吾 「南紀風物誌」といふ本がある。(西瀬英一著、東京竹村書房発行)熊野から新宮、串本あたりの南紀州の風物を紹介したもので郷土色の横溢した読物であるが、南国のたそがれ、子供達が竿をもち、口々に蝙蝠ほいと呼びながら飛ぶ蝙蝠を竿で地上へたゝき落す、南国のでう/\たる余韻と愁ひを流した風景を描いて、郷愁を代表する情景のやうにいつてゐた。この著者は越後新

JA
원문만

北原白秋君を弔ふ

斎藤茂吉

北原白秋君は昭和十七年十一月二日年五十八を以て逝かれた。私等は哀惜の念に堪へず、涙をふるつて君を弔つた。五十八歳といへば私よりも三つ年若であるが、君の天才の華がもう二十歳でひらいて、爾來斯壇の大家として、詩に於て小曲に於て童謠に於て短歌に於て縱横に君の力量を發揮し、往くところとして可ならざるものなかつた。そのかがやかしき業績は既刊の白秋全集數種に於て、それか

JA
원문만

北原白秋氏の肖像

木下杢太郎

北原白秋氏の肖像 木下杢太郎 ……願ふは極秘、かの奇しき紅の夢……(「邪宗門」) 性慾の如くまつ青な太陽が金色の髪を散して、 異教の寺の晩鐘の呻吟のやうに高らかに、然しさびしく、 河の底へ……底へ……底へ……と沈む時に、 幻想の黒い帆前は 滑つて行く……音もなく…… 明るい灰色の硝子の外で、 氏は倚れる窗の後で――。 されば其光の顫音は悲しく、 氏の銅色の額

JA
원문만

北の国のはなし

小川未明

あるところにぜいたくな人間が住んでいました。時節をかまわずに、なんでも食べたくなると、人々を方々に走らしてそれを求めたのであります。 「いくら金がかかってもいいから、さがしてこい。」と、その人はいいました。 ある日のこと、その人は、川魚が食べたいから、釣ってきてくれと、下男にいいつけました。 下男は当惑をしました。外を見ると真っ白に雪が積もっていました。どこ

JA
원문만

北国の人

水野葉舟

北国の人 水野葉舟 一 九月の中ごろ、ひどく雨が降った或る晩のこと。――学校を出た間もなくこれから新聞社にでも入る運動をしようと思ってる時に少し思うことがあって、私は親の家から出て、佐内坂上の下宿屋に下宿して間もなくであったが、――ちょうど九時打った頃、その某館に、どしゃ降りの最中によそから帰って来た。 自分の室にはいって、散滴でじめじめしている衣服を脱いで

JA
원문만

北国の春

中谷宇吉郎

ウィネツカは札幌と大体緯度が同じくらいで、風物にも似たところがある。とくに春は感じがよく似ている。ともに北国のおそい春であるが、それにもまた捨てがたい情趣がある。 二度目のウィネツカの春を迎えて、異国の生活にも大分馴れたが、やはり少し草臥れたのかもしれない。二十年間住んだ札幌のことなどが、時々思い出される。アメリカから北海道へというような気持で、北国の春を、

JA
원문만

北のはての地に

風巻景次郎

雪がふると巷の音がしずかになる。わたくしはそれが好きだ。ことに夜がいい。窓硝子にしずかにとまろうとする粉雪が電灯の光にきらきらときらめいて煖炉だけがかすかに唄っている。お茶など飲みながら、がたくり椅子に凭れかかって、煤けきった天井を眺めていると、いつの間にか夜は更けてしまう。そんなときは心がしずまって、かえがたく好きである。遠くもない駅を出てゆくらしい汽車の

JA
원문만