Vol. 2May 2026

도서

공개저작물 세계 지식 라이브러리

14,981종 중 10,200종 표시

ボードレールシャルル・ピエール

港は人生の闘に疲れた魂には快い住家である。空の広大無辺、雲の動揺する建築、海の変りやすい色彩、燈台の煌き、これらのものは眼をば決して疲らせることなくして、楽しませるに恰好な不可思議な色眼鏡である。調子よく波に揺られてゐる索具の一杯ついた船の花車な姿は、魂の中にリズムと美とに対する鑑識を保つのに役立つものである。とりわけ、そこには、出発したり到着したりする人々

JA
원문만

港の妖婦

田中貢太郎

山根謙作は三の宮の停留場を出て海岸のほうへ歩いていた。謙作がこの土地へ足を入れたのは二度目であったが、すこしもかってが判らなかった。それは十四年前、そこの汽船会社にいる先輩を尋ねて、東京から来た時に二週間ばかりいるにはいたが、すぐ支那の方へ往ってその年まで内地に帰って来なかったので、うっすらした輪廓が残っているだけであった。 謙作は台湾で雑貨店をやっていた。

JA
원문만

港に沈んだ鉄片の希望

仲村渠

浚渫船はいづこの海を浚つてゐるのだらう鉄片は沈んで沈んで港の底眇の眸を覗かせるよああ気なげな空想を抱いてゐるぞねそべつた比目魚が吐きだす泡にぶらさがりゆらゆら海面に昇つてゆく鉄片の願望よおをい!海上遠く、青空映す友だちよ針魚よりも鋭い腰の短剣め!あいつの主人はランチを飛ばして海軍大尉の美男子だ浮標めの自由な展望よあいつは海と空の骰子だあいつは燈台の横腹にさし

JA
원문만

港に着いた黒んぼ

小川未明

やっと、十ばかりになったかと思われるほどの、男の子が笛を吹いています。その笛は、ちょうど秋風が、枯れた木の葉を鳴らすように、哀れな音をたてるかと思うと、春のうららかな日に、緑の色の美しい、森の中でなく小鳥の声のように、かわいらしい音をたてていました。 その笛の音を聞いた人々は、だれがこんなに上手に、また哀れに笛を吹いているのかと思って、そのまわりに寄ってきま

JA
원문만

エキゾチックな港街

小野佐世男

エキゾチックな港街 小野佐世男 佐世保へいらっしゃるんですって、佐世男が佐世保にいくなんて、なんかおかしいですね――、オホホホホ。あなたさまは日本人でしょう、オホホそれならお行きにならない方がお幸せですわ。……雲仙の旅館の女中は手を振った……。日本人は相手にされませんよ、靴をみがこうとなさっても駄目駄目。 オホホホ、女の子ですって、それこそ鼻もひっかけません

JA
원문만

ツーン湖のほとり

中谷宇吉郎

もう十年も前のことであるが、倫敦に留学中私はユニバシティカレッヂのポーター老先生の所へ繁げ/\出入りしてゐるうちに、一緒に瑞西へ行かうとさそはれたことがあつた。そして二週間許り、ポーター先生や引退した英国の老法律家夫妻と、ツーン湖畔のオーベルホッフェンといふ小村で暮したことがあつた。 ツーン湖のほとり、瑞西の夏は美しかつた。ホテルは小高い丘陵の上にあつて、ツ

JA
원문만

湖光島影 琵琶湖めぐり

近松秋江

比叡山延暦寺の、今、私の坐つてゐる宿院の二階の座敷の東の窓の机に凭つて遠く眼を放つてゐると、老杉蓊鬱たる尾峰の彼方に琵琶湖の水が古鏡の表の如く、五月雨霽れの日を受けて白く光つてゐる。湖心の方へ往復する汽船が煙を吐いて靜かに滑つてゆくのも見える。帆船が動いてゐるのも見える。そのあたりは山の上から眺めても湖水が最も狹められてゐる處で、向ふ側から長く突き出して來て

JA
원문만

湖の夢

牧野信一

友人である医学士のF君が、オースチンを購入したので、案内車を先に立てながら富士の五湖をまはつて来ようと、或る晩わたしの部屋を訪れた。神経科の専攻であるF君は、かねがねわたしの病状については深い留意を払ひ、年来にわたつて投薬をつゞけてゐて呉れる人であつた。ともかく文字のことは忘れるんだね、花をつくることをすゝめるよ――F君は切りとさう云つて、然し酒は寧ろ結構だ

JA
원문만

湖水めぐり

野上豊一郎

湖水めぐり 野上豐一郎 大正八年八月四日。 青楓君と大月に下りたのは午前九時三十三分だつた。停車場の前に並んでゐる小さい低い赤と青で塗つた平たい馬車と宿屋の前に吊してある無數の雜色の手拭みたいな講中のビラがまづ目についた。次の汽車で來る二人の同行者を待つために、私たちは濱野屋といふ家の二階の奧の間に寢ころんで、すぐ前に横たはつてゐる圓いずんぐりした山の形に感

JA
원문만

湖水の女

鈴木三重吉

湖水の女 鈴木三重吉 一 むかしむかし、或山の上にさびしい湖水がありました。その近くの村にギンという若ものが母親と二人でくらしていました。 或日ギンが、湖水のそばへ牛をつれていって、草を食べさせていますと、じきそばの水の中に、若い女の人が一人、ふうわりと立って、金の櫛で、しずかに髪をすいていました。下にはその顔が鏡にうつしたように、くっきりと水にうつッていま

JA
원문만

湖水と彼等

豊島与志雄

湖水と彼等 豊島与志雄 もう長い間の旅である――と、またもふと彼女は思う、四十年の過去をふり返って見ると茫として眼がかすむ。 顔を上げれば、向うまで深く湛えた湖水の面と青く研ぎ澄された空との間に、大きい銀杏の木が淋しく頼り無い郷愁を誘っている。知らない間に一日一日と黄色い葉が散ってゆく、そして今では最早なかば裸の姿も見せている。霜に痛んだ葉の数が次第に少くな

JA
원문만

湖水の鐘

鈴木三重吉

湖水の鐘 鈴木三重吉 一 或山の村に、きれいな、青い湖水がありました。その湖水の底には、妖女の王さまが、三人の王女と一しよに住んでゐました。王さまは、夏になると、空の青々と晴れた日には、よく、小さな妖女たちをつれて、三人の王女と一しよに、真珠の舟に乗つて出て来て、湖水の岸のやはらかな草むらへ上りました。 妖女たちは大よろこびで、草の中をかけまはつたり、小さな

JA
원문만

湖畔

久生十蘭

この夏、拠処ない事情があって、箱根蘆ノ湖畔三ツ石の別荘で貴様の母を手にかけ、即日、東京検事局に自訴して出た。 審理の結果、精神耗弱と鑑定、不論罪の判決で放免されたが、その後、一ヵ月も経たぬうちに、端無くもまた刑の適用を受けねばならぬことになった。これは普通に秩序罪と言われるもので、最悪の場合でも二年位の懲役ですむから、このたびも逸早く自首して刑の軽減を諮るの

JA
원문만

湖畔手記

葛西善蔵

たうとうこゝまで逃げて來たと云ふ譯だが――それは實際悲鳴を揚げながら――の氣持だつた。がさて、これから一體どうなるだらう、どうするつもりなんだらうと、旅館の二階の椅子から、陰欝な色の湖面を眺めやつて、毎日幾度となく自問自答の溜息をついた。海を拔くこと五千八十八尺の高處、俗塵を超脱したる幽邃の境、靈泉湧出して云々――と書き出してある日光湯本温泉誌と云ふのを、所

JA
원문만

ゆず湯

岡本綺堂

ゆず湯 岡本綺堂 一 本日ゆず湯というビラを見ながら、わたしは急に春に近づいたような気分になって、いつもの湯屋の格子をくぐると、出あいがしらに建具屋のおじいさんが濡れ手拭で額をふきながら出て来た。 「旦那、徳がとうとう死にましたよ。」 「徳さん……。左官屋の徳さんが。」 「ええ、けさ死んだそうで、今あの書生さんから聞きましたから、これからすぐに行ってやろうと

JA
원문만

湯けむり

澤西祐典

「貴様は別府のこと、何もわかっちょらんな。これやからよそ者は好かんちゃ、偉そうにしくさってから」 首藤は、大分合同新聞の夕刊に、太田の写真入り記事を見つけ、彼から言われた言葉を思い出した。途端、頬に熱が上った。新聞を乱暴に丸め、ごみ箱に投げ捨てる。大阪行きのフェリーの船内には、陽気な音楽が流れていた。 ――どうしてこんなことになってしまったのだろうか。 たし

JA
원문만

湯元の秋

豊島与志雄

湯元の秋 豊島与志雄 私は或る秋の初め、日光の奥の湯元温泉に約二週間ばかり滞在していた。十二月には雪を避けて人は皆麓の方へ下りてゆくという山中なので、日当りのいい傾斜面にはまだ種々な花が咲いているのに、野の草葉はもう霜枯れていた。霜枯れの頃になると、山国の人の心は何かしらしめやかになって、祈願するがような眼を空に向けるものである。そして私も、じっと自分一人の

JA
원문만

湯ヶ原ゆき

国木田独歩

湯ヶ原ゆき 国木田独歩 一 定めし今時分は閑散だらうと、其閑散を狙つて來て見ると案外さうでもなかつた。殊に自分の投宿した中西屋といふは部室數も三十近くあつて湯ヶ原温泉では第一といはれて居ながら而も空室はイクラもない程の繁盛であつた。少し當は違つたが先づ/\繁盛に越した事なしと斷念めて自分は豫想外の室に入つた。 元來自分は大の無性者にて思ひ立た旅行もなか/\實

JA
원문만

湯ヶ原より

国木田独歩

湯ヶ原より 国木田独歩 内山君足下 何故そう急に飛び出したかとの君の質問は御尤である。僕は不幸にして之を君に白状してしまはなければならぬことに立到つた。然し或はこれが僕の幸であるかも知れない、たゞ僕の今の心は確かに不幸と感じて居るのである、これを幸であつたと知ることは今後のことであらう。しかし將來これを幸であつたと知る時と雖も、たしかに不幸であると感ずるに違

JA
원문만

湯川博士の受賞を祝す

長岡半太郎

我邦では敗戰の創痍未だ癒えず、媾和條約未だ締結されず、國民は暗雲に鎖された氣持ちに包まれている際、湯川博士がノーベル賞を受けられた吉報に接したのは、黒雲の一隅から一條の日光が燦爛たる輝きを示した心地がして、專門家に限らず大衆に至るまで、歡聲をあげて喜びを同じくしました。しかしその喜びには、いろ/\の素因が伏在しています。單に世界で最も重きを置くノーベル賞が初

JA
원문만

湯川秀樹さんのこと

中谷宇吉郎

十一月四日は、たまたま函館にある北大の水産学部で、文化講義をする日になっていた。 朝、学校へ顔を出したら、とたんに学部長の武田さんが、「先生、今朝のラヂオの臨時ニュースを御ききですか。湯川博士がノーベル賞を貰うことに決ったそうですが」と、やや興奮した語調で話し出された。 「そうですか。それはたいへんなニュースですね。ちっとも知りませんでした」 「昨夜のニュー

JA
원문만

湯豆腐のやり方

北大路魯山人

一番最初鍋の中に切れ目のある昆布を敷き、鍋の深さの半分目以上水を入れる。三寸の鍋なら上一寸を余して水を入れ、およそ一寸角くらいに切った豆腐をこわさないようにそっと入れる。杉箸ではさんでそっと入れる。それを火力の強い火の上にかけ、鍋の蓋をしておく。約五分位で、火さえ強ければ、初めてぽっと煮え上がる。その時豆腐を箸でおして見ると軽い弾力ができていて、肴の白子かク

JA
원문만