Vol. 2May 2026

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14,981종 중 12,576종 표시

ジガ蜂

島木健作

ジガ蜂 島木健作 初夏と共に私の病室をおとづれる元気な訪問客はジガ蜂である。ジガ蜂の颯爽たる風姿はいかにもさかんな活動的な季節の先駆けたるにふさはしく、沈んだ病室内の空気までがにはかに活気を帯びて来るやうに思はれるのだつた。彼等は一刻もぢつとしてゐるといふことを知らない。飛んでゐる時は勿論、とまつてゐる時も溢るる精気に絶えず全身を小刻みにキビキビ動かし続けて

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蜂が団子をこしらえる話

寺田寅彦

蜂が団子をこしらえる話 寺田寅彦 私の宅の庭の植物は毎年色々な害虫のためにむごたらしく虐待される。せっかく美しく出揃った若葉はいつの間にかわるい昆虫のために食い荒らされる。なかんずくいちばんひどくやられるのは薔薇である。羽根が黒くて腰の黄色い小さな蜂が、柔らかい若芽の茎の中に卵を産みつけると、やがて茎の横腹が竪にはじけ破れて幼虫が生れ出る。これが若葉の縁に鈴

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蜘蛛

豊島与志雄

蜘蛛 豊島与志雄 蜘蛛は面白い動物である。近代人的な過敏な神経と、偉人的な野性と、自然的な神秘さとを具えている。 近代人の神経は、何かしら不健康で不気味である。本物の動物的なものから根こぎにされたような趣きがある。運動的知覚がひどく鈍く、感情的知覚がひどく鋭い。この運動の方面の知覚と感情の方面の知覚とが、不均衡になればなるほど、益々病的に不気味になってゆく。

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蜘蛛

甲賀三郎

蜘蛛 甲賀三郎 辻川博士の奇怪な研究室は葉の落ちた欅の大木にかこまれて、それらの木と高さを争うように、亭々として地上三十尺あまりにそびえている支柱の上に乗っていた。研究室は直径二間半、高さ一間半ばかりの円筒形で、丸天井をいただき、側面に一定の間隔でおなじ大きさの窓が並んでいた。一年あまり風雨にさらされているので、白亜の壁はところどころ禿げ落ちて鼠色になり、ぜ

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蜘蛛の夢

岡本綺堂

蜘蛛の夢 岡本綺堂 一 S未亡人は語る。 わたくしは当年七十八歳で、嘉永三年戌歳の生れでございますから、これからお話をする文久三年はわたくしが十四の年でございます。むかしの人間はませていたなどと皆さんはよくおっしゃいますが、それでも十四ではまだ小娘でございますから、何もかも判っているという訳にはまいりません。このお話も後に母などから聞かされたことを取りまぜて

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蜘蛛となめくじと狸

宮沢賢治

蜘蛛となめくじと狸 宮沢賢治 蜘蛛と、銀色のなめくじとそれから顔を洗ったことのない狸とはみんな立派な選手でした。 けれども一体何の選手だったのか私はよく知りません。 山猫が申しましたが三人はそれはそれは実に本気の競争をしていたのだそうです。 一体何の競争をしていたのか、私は三人がならんでかける所も見ませんし学校の試験で一番二番三番ときめられたことも聞きません

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蜜柑

佐左木俊郎

蜜柑 佐左木俊郎 一 お婆さんはもう我慢がしきれなくなって来た。けれども彼女は、しばらくの間を薄い襤褸布団の中で、ただ、もじもじしていた。 厚い板戸を隔てた台所の囲炉裏端では、誰か客があるらしく、しきりと太い話し声がやりとりされている。折々大きな笑い声も洩れて来る。慥かに誰かが来ているらしい。お婆さんは布団からそおうっと顔を出して見た。併しお婆さんは、また躊

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蜜柑山散策

北原白秋

蜜柑山でも見に行かうかと、日向ぼつこから私が立つと、夕暮君も、それはよからうと続いて立ち上つた。竹林の昼餐をやつと済ますと、私たちは裏の別荘の丘に席を移して、山と海との大観をそれまでほしいままに楽しんでゐたのである。いい冬晴の午後三時過ぎ、空には微塵の雲も無かつた。日は双子の山の上に、ちやうど「日光」の表紙画のやうに、十方に放射光を輝かしてゐた。 「では、後

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蜜柑の皮

尾崎士郎

わざわざおいで下さいましてお目にかかるのは始めてのように思いましたが、こうやってはなしをしているうちにだんだんおもいだしてまいりました。ふしぎなものですね。今夜はすっかりわすれていたあのときのありさまがわくようにおもいだされます。ぼうっとあのときの人びとの顔までも見えるようで――何と申しますか、わたくしも四年前に家内に先立たれ、こういうさびしいひとりぐらしを

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蜻蛉返り

佐藤垢石

蜻蛉返り 佐藤垢石 私は、呑んべえであるから、酒の肴にはいつも苦労する。うるか、惣太鰹の腸の叩き。まぐろのいすご、鱸の腹膜、このわた、からすみ、蜂の子、鮭の生卵、鰡の臍、岩魚の胃袋、河豚の白精など、舌に溶け込むようなおいしい肴の味を想い出しては、小盃の縁をなめるのである。 そのうちでも、からすみは大好物のうちに属する。長崎からきた上ものならば、もう一本といっ

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蜻蛉 ――飜弄さる

中原中也

会社の帰りに社長の宅を訪問した竹山は何時もになく遅く帰つて来た。 玄関先に夫らしい足音がすると、先刻から火鉢に凭つて時計ばかりみてゐた妻君は、忙しげに立ち上つて玄関に行つた。「まあね……」と彼女は三和土の上で靴を脱いでる夫の肩に手を置いて声だけを難儀らしくして云つた。――我国の女がまことに無表情に出来てゐることを知つてゐる者のその誰でもが今彼女の夫に対してし

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牧野信一

「あたしは酔ツぱらひには慣れてゐるから夜がどんなに遅くならうと、どんなにあなたが騒がうと今更何とも思はないが――」 周子は、そんな前置きをした後に夫の滝野に詰つた。 田舎で暮してゐた時とは、境遇も違ふし場所柄も違ふ、今ではこのセヽこましい東京の街中で、然も間借りをしてゐる境涯である、壁一重先きには他人が住んでゐるのだ、毎晩/\夜中も関はず大声を発して、加けに

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中原中也

蝉が鳴いてゐる、蝉が鳴いてゐる 蝉が鳴いてゐるほかになんにもない! うつらうつらと僕はする ……風もある…… 松林を透いて空が見える うつらうつらと僕はする。 『いいや、さうぢやない、さうぢやない!』と彼が云ふ 『ちがつてゐるよ』と僕がいふ 『いいや、いいや!』と彼が云ふ 『ちがつてゐるよ』と僕が云ふ と、目が覚める、と、彼はもうとつくに死んだ奴なんだ それ

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蝉の子守唄

島崎藤村

ねん/\よ。おころりよ。ころ、ころ、ころ、ころ、おころりよ。ねん/\よ。おころりよ。おゝしいつく/\、ねんねしな。ねん/\よ。おころりよ。みん、みん、みん、みん、ねんねしな。ねん/\よ。おころりよ。かな、かな、かな、かな、ねんねしな。ねん/\よ。おころりよ。めんめが覚めたら、何あげよ。おつぱい、おつぱい、おいしいおつぱい。好い兒の坊やのおいしいおつぱい。 お

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蝉の美と造型

高村光太郎

蝉の美と造型 高村光太郎 私はよく蝉の木彫をつくる。鳥獣虫魚何でも興味の無いものはないが、造型的意味から見て彫刻に適するものと適さないものとがある。私は虫類に友人が甚だ多く、バッタ、コオロギ、トンボ、カマキリ、セミ、クモの類は親友の方であり、カマキリの三角あたまなどには殊に愛着を感じ、よく自分の髪の毛を抜いて彼に御馳走する。カマキリは人間の髪の毛が非常に好き

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蝉 ――あるミザントロープの話――

坂口安吾

凡そ世に同じ人間は有り得ないゆえ、平凡な人間でもその種差に観点を置いて眺める時は、往々、自分は異常な人格を具へた麒麟児であると思ひ込んだりするものである。殊に異常を偏重しがちな芸術の領域では、多少の趣味多少の魅力に眩惑されてウカウカと深入りするうちに、遂には性格上の種差を過信して、自分は一個の鬼才であると牢固たる診断を下してしまふことが多い。夢は覚めない方が

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蝋人形

小川未明

私は一人の蝋燭造を覚えている。その町は海に近い、北国の寂しい町である。町は古い家ばかりで、いずれも押し潰されたように軒の低い出入の乱れた家数の七八十戸もある灰色の町である。名を兵蔵といって脊の高い眉の濃い、いつも鬱いだ顔付をして物を言わぬ男である。彼の妻は小柄の、饒舌る女で、眼尻が吊上っていた。子供に向ってもがみがみ叱る性質で、一人の清吉という息子があったが

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蝗の大旅行

佐藤春夫

僕は去年の今ごろ、台湾の方へ旅行をした。 台湾というところは無論「はなはだ暑い」だが、その代り、南の方では夏中ほとんど毎日夕立があって夜分には遠い海を渡っていい風が来るので「なかなか涼しい」だ。夕立の後では、ここ以外ではめったに見られないようなくっきりと美しい虹が、空いっぱいに橋をかける。その丸い橋の下を、白鷺が群をして飛んでいる。いろいろな紅や黄色の花が方

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おもちゃの蝙蝠

佐藤春夫

あるところに一匹のコーモリがいた。それはオモチャで、ボール紙を切り抜いてその上に紫いろのアートペーパーがはりつけてあった。そして小さなゼンマイ仕掛でバタバタと飛ぶように出来ていた。 ところがある日、このコーモリがどうしたのか、それをこしらえた職人の店へ帰って来た。それは街に青い瓦斯燈がまたたき出した頃で、職人がその一日の仕事を終えてその木の馬や鳥や、それから

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蝙蝠の歴史

片山広子

蝙蝠の歴史 片山廣子 古いゲエルの伝説に出てくる蝙蝠の話を読むと、昔の昔から彼はきらはれものであつたらしい。蝙蝠にはいろいろの名があつたらしいが「黒い放浪者」といふのが一ばん詩的な名だとその伝説の筆者は書いてゐる。 世界の初めごろ蝙蝠は川蝉のやうに青い色で、胸は燕のやうに白く、そしてうるほひ深い大きな眼を持つてゐたから、その眼の色とひらめく羽根のうごきとで「

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蝦夷とコロボツクルとの異同を論ず

喜田貞吉

我が群島國の先住種族中、石器を使用して、其遺蹟を後世に遺せるものは何なりやとの疑問に對して解决を與ふる諸説の中、最も多數なるは、之を蝦夷なりとするものと、之を蝦夷とは別種なるコロボツクルなりとするものとの兩説なり。其他肅愼人説、土蜘蛛説などあれども、比較的、賛成者少し。而して蝦夷説を唱ふる學者中最も有力なるは、言ふ迄もなく小金井博士にして、コロボツクル説を採

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蝦蟇

豊島与志雄

蝦蟇 豊島与志雄 五月頃から私の家の縁先に、大きい一匹の蝦蟇が出た。いつも夕方であった。風雨の日や、妙に仄白く暮れ悩んだ日や、月のある夕方などには、出なかった。夕闇が濃く澱んでいる時や、細かい雨がしとしと降る時などに、出た。垣根に沿ってのそりのそりと匐っていった。それが如何にも悠然としていた。静かであった。そして大きい力に満ちていた。 夕食が少し後れたような

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正岡子規

蝶 正岡子規 のぼる○空はうらゝかに風はあたゝかで、今日は天上に神様だちの舞踏会のあるといふ日の昼過、白い蝶と黄な蝶との二つが余念無く野辺に隠れんぼをして遊んで居る。今度は白い蝶の隠れる番で、白い蝶は百姓家の裏の卯の花垣根に干してある白布の上にちよいととまつて静まつて居ると、黄な蝶はそこらの隅々を探して、釣瓶の中や井の中を見たが何処にも居らんので稍失望した様

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