
芥川竜之介 · Tiếng Nhật
아쿠타가와 류노스케의 'Mensura Zoili'는 불확실한 공간 속에서 펼쳐지는 기묘한 만남을 그린 소설입니다.
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아쿠타가와 류노스케의 'Mensura Zoili'는 불확실한 공간 속에서 펼쳐지는 기묘한 만남을 그린 소설입니다. 흔들리는 배 안에서 마주한 낯선 존재와의 대화는 현실과 환상의 경계를 흐릿하게 만들며 독자를 혼란 속으로 이끌죠. 모호한 분위기와 심리 묘사가 돋보이는 이 작품은 인간 존재의 불안과 고독을 섬세하게 그려내 깊은 여운을 남깁니다. 짧지만 강렬한 이 이야기는 아쿠타가와 류노스케 특유의 문체와 함께 독자에게 잊을 수 없는 경험을 선사할 것입니다.
芥川竜之介 · Tiếng Nhật
아쿠타가와 류노스케의 'Mensura Zoili'는 불확실한 공간 속에서 펼쳐지는 기묘한 만남을 그린 소설입니다.
Toàn văn
Ban goc (Tiếng Nhật)
MENSURA ZOILI
芥川龍之介
僕は、船のサルーンのまん中に、テーブルをへだてて、妙な男と向いあっている。――
待ってくれ給え。その船のサルーンと云うのも、実はあまり確かでない。部屋の具合とか窓の外の海とか云うもので、やっとそう云う推定を下しては見たものの、事によると、もっと平凡な場所かも知れないと云う懸念がある。いや、やっぱり船のサルーンかな。それでなくては、こう揺れる筈がない。僕は木下杢太郎君ではないから、何サンチメートルくらいな割合で、揺れるのかわからないが、揺れる事は、確かに揺れる。嘘だと思ったら、窓の外の水平線が、上ったり下ったりするのを、見るがいい。空が曇っているから、海は煮切らない緑青色を、どこまでも拡げているが、それと灰色の雲との一つになる所が、窓枠の円形を、さっきから色々な弦に、切って見せている。その中に、空と同じ色をしたものが、ふわふわ飛んでいるのは、大方鴎か何かであろう。
さて、僕の向いあっている妙な男だが、こいつは、鼻の先へ度の強そうな近眼鏡をかけて、退屈らしく新聞を読んでいる。口髭の濃い、顋の四角な、どこかで見た事のあるような男だが、どうしても思い出せない。頭の毛を、長くもじゃもじゃ生やしている所では、どうも作家とか画家とか云う階級の一人ではないかと思われる。が、それにしては着ている茶の背広が、何となく釣合わない。
僕は、暫く、この男の方をぬすみ見ながら、小さな杯へついだ、甘い西洋酒を、少しずつなめていた。これは、こっちも退屈している際だから、話しかけたいのは山々だが、相手の男の人相が、甚だ、無愛想に見えたので、暫く躊躇していたのである。
すると、角顋の先生は、足をうんと踏みのばしながら、生あくびを噛みつぶすような声で、「ああ、退屈だ。」と云った。それから、近眼鏡の下から、僕の顔をちょいと見て、また、新聞を読み出した。僕はその時、いよいよ、こいつにはどこかで、会った事があるのにちがいないと思った。
サルーンには、二人のほかに誰もいない。
暫くして、この妙な男は、また、「ああ、退屈だ。」と云った。そうして、今度は、新聞をテーブルの上へ抛り出して、ぼんやり僕の酒を飲むのを眺めている。そこで僕は云った。
「どうです。一杯おつきあいになりませんか。」
「いや、難有う。」彼は、飲むとも飲まないとも云わずに、ちょいと頭をさげて、「どうも、実際退屈しますな。これじゃ向うへ着くまでに、退屈死に死んじまうかも知れません。」
僕は同意した。
「まだ、ZOILIA の土を踏むには、一週間以上かかりましょう。私は、もう、船が飽き飽きしました。」
「ゾイリア――ですか。」
「さよう、ゾイリア共和国です。」
「ゾイリアと云う国がありますか。」
「これは、驚いた。ゾイリアを御存知ないとは、意外ですな。一体どこへお出でになる御心算か知りませんが、この船がゾイリアの港へ寄港するのは、余程前からの慣例ですぜ。」
僕は当惑した。考えて見ると、何のためにこの船に乗っているのか、それさえもわからない。まして、ゾイリアなどと云う名前は、未嘗、一度も聞いた事のない名前である。
「そうですか。」
「そうですとも。ゾイリアと云えば、昔から、有名な国です。御承知でしょうが、ホメロスに猛烈な悪口をあびせかけたのも、やっぱりこの国の学者です。今でも確かゾイリアの首府には、この人の立派な頌徳表が立っている筈ですよ。」
僕は、角顋の見かけによらない博学に、驚いた。
「すると、余程古い国と見えますな。」
「ええ、古いです。何でも神話によると、始は蛙ばかり住んでいた国だそうですが、パラス・アテネがそれを皆、人間にしてやったのだそうです。だから、ゾイリア人の声は、蛙に似ていると云う人もいますが、これはあまり当になりません。記録に現れたのでは、ホメロスを退治した豪傑が、一番早いようです。」
「では今でも相当な文明国ですか。」
「勿論です。殊に首府にあるゾイリア大学は、一国の学者の粋を抜いている点で、世界のどの大学にも負けないでしょう。現に、最近、教授連が考案した、価値測定器の如きは、近代の驚異だと云う評判です。もっとも、これは、ゾイリアで出るゾイリア日報のうけ売りですが。」
「価値測定器と云うのは何です。」
「文字通り、価値を測定する器械です。もっとも主として、小説とか絵とかの価値を、測定するのに、使用されるようですが。」
「どんな価値を。」
「主として、芸術的な価値をです。無論まだその他の価値も、測定出来ますがね。ゾイリアでは、それを祖先の名誉のために MENSURA ZOILI と名をつけたそうです。」
「あなたは、そいつをご覧になった事があるのですか。」
「いいえ。ゾイリア日報の挿絵で、見ただけです。なに、見た所は、普通の計量器と、ちっとも変りはしません。あの人が上る所に、本なりカンヴァスなりを、のせればよいのです。額縁や製本も、少しは測定上邪魔になるそうですが、そう云う誤差は後で訂正するから、大丈夫です。」
「それはとにかく、便利なものですね。」
「非常に便利です。所謂文明の利器ですな。」角顋は、ポケットから朝日を一本出して、口へくわえながら、「こう云うものが出来ると、羊頭を掲げて狗肉を売るような作家や画家は、屏息せざるを得なくなります。何しろ、価値の大小が、明白に数字で現れるのですからな。殊にゾイリア国民が、早速これを税関に据えつけたと云う事は、最も賢明な処置だと思いますよ。」
「それは、また何故でしょう。」
「外国から輸入される書物や絵を、一々これにかけて見て、無価値な物は、絶対に輸入を禁止するためです。この頃では、日本、英吉利、独逸、墺太利、仏蘭西、露西亜、伊太利、西班牙、亜米利加、瑞典、諾威などから来る作品が、皆、一度はかけられるそうですが、どうも日本の物は、あまり成績がよくないようですよ。我々のひいき眼では、日本には相当な作家や画家がいそうに見えますがな。」
こんな事を話している中に、サルーンの扉があいて、黒坊のボイがはいって来た。藍色の夏服を着た、敏捷そうな奴である、ボイは、黙って、脇にかかえていた新聞の一束を、テーブルの上へのせる。そうして、直また、扉の向うへ消えてしまう。
その後で角顋は、朝日の灰を落しながら、新聞の一枚をとりあげた。楔形文字のような、妙な字が行列した、所謂ゾイリア日報なるものである。僕は、この不思議な文字を読み得る点で、再びこの男の博学なのに驚いた。
「不相変、メンスラ・ゾイリの事ばかり出ていますよ。」彼は、新聞を読み読み、こんな事を云った。「ここに、先月日本で発表された小説の価値が、表になって出ていますぜ。測定技師の記要まで、附いて。」
「久米と云う男のは、あるでしょうか。」
僕は、友だちの事が気になるから、訊いて見た。
「久米ですか。『銀貨』と云う小説でしょう。ありますよ。」
「どうです。価値は。」
「駄目ですな。何しろこの創作の動機が、人生のくだらぬ発見だそうですからな。そしておまけに、早く大人がって通がりそうなトーンが、作全体を低級な卑しいものにしていると書いてあります。」
僕は、不快になった。
「お気の毒ですな。」角顋は冷笑した。「あなたの『煙管』もありますぜ。」
「何と書いてあります。」
「やっぱり似たようなものですな。常識以外に何もないそうですよ。」
「へええ。」
「またこうも書いてあります。――この作者早くも濫作をなすか。……」
「おやおや。」
僕は、不快なのを通り越して、少し莫迦莫迦しくなった。
「いや、あなた方ばかりでなく、どの作家や画家でも、測定器にかかっちゃ、往生です。とてもまやかしは利きませんからな。いくら自分で、自分の作品を賞め上げたって、現に価値が測定器に現われるのだから、駄目です。無論、仲間同志のほめ合にしても、やっぱり評価表の事実を、変える訳には行きません。まあ精々、骨を折って、実際価値があるようなものを書くのですな。」
「しかし、その測定器の評価が、確かだと云う事は、どうしてきめるのです。」
「それは、傑作をのせて見れば、わかります。モオパッサンの『女の一生』でも載せて見れば、すぐ針が最高価値を指しますからな。」
「それだけですか。」
「それだけです。」
僕は黙ってしまった。少々、角顋の頭が、没論理に出来上っているような気がしたからである。が、また、別な疑問が起って来た。
「じゃ、ゾイリアの芸術家の作った物も、やはり測定器にかけられるのでしょうか。」
「それは、ゾイリアの法律が禁じています。」
「何故でしょう。」
「何故と云って、ゾイリア国民が承知しないのだから、仕方がありません。ゾイリアは昔から共和国ですからな。Vox populi, vox Dei を文字通りに遵奉する国ですからな。」
角顋は、こう云って、妙に微笑した。「もっとも、彼等の作物を測定器へのせたら、針が最低価値を指したと云う風説もありますがな。もしそうだとすれば、彼等はディレムマにかかっている訳です。測定器の正確を否定するか、彼等の作物の価値を否定するか、どっちにしても、難有い話じゃありません。――が、これは風説ですよ。」
こう云う拍子に、船が大きく揺れたので、角顋はあっと云う間に椅子から、ころがり落ちた。するとその上へテーブルが倒れる。酒の罎と杯とがひっくりかえる。新聞が落ちる。窓の外の水平線が、どこかへ見えなくなる。皿の破れる音、椅子の倒れる音、それから、波の船腹へぶつかる音――、衝突だ。衝突だ。それとも海底噴火山の爆発かな。
気がついて見ると、僕は、書斎のロッキング・チェアに腰をかけて St. John Ervine の The Critics と云う脚本を読みながら、昼寝をしていたのである。船だと思ったのは、大方椅子の揺れるせいであろう。
角顋は、久米のような気もするし、久米でないような気もする。これは、未だにわからない。
(大正五年十一月二十三日)
Ghi chu cua bien tap vien Pagera
아쿠타가와 류노스케의 'Mensura Zoili'는 불확실한 공간 속에서 펼쳐지는 기묘한 만남을 그린 소설입니다. 흔들리는 배 안에서 마주한 낯선 존재와의 대화는 현실과 환상의 경계를 흐릿하게 만들며 독자를 혼란 속으로 이끌죠. 모호한 분위기와 심리 묘사가 돋보이는 이 작품은 인간 존재의 불안과 고독을 섬세하게 그려내 깊은 여운을 남깁니다. 짧지만 강렬한 이 이야기는 아쿠타가와 류노스케 특유의 문체와 함께 독자에게 잊을 수 없는 경험을 선사할 것입니다.

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