原民喜 · 일본어
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원문 (일본어)
青空に風呂屋の煙突がはっきり聳えてゐた。その左の方に外苑の時計台と枯木の梢が茫と冬日に煙ってゐた。もっと近いところには屋根の入り乱れた傾斜が、一方に雪を残して続いてゐた。雪があるので、そこの二階の縁側からは景色が立体的に見えた。立体的と云へば、この景色を眺めて争ってゐる二人の男の対比もまたさうであった。 一人はこの春さきの景色が煽情的だと云って頻りに嬉しさうに眺め廻した。一人は彼がそんなに景色にまで愛恋を感じるのがをかしいと云ってそれを笑ひこけた。そして二人はとりとめもなく、こんにゃく問答をしながら、ネクタイを結んで出勤の用意をした。 それから二人は電車に乗っても依然として争ってゐた。一体、何がそんなに問題の中心になってゐるかと云へば、ことの起りは、一人が女を大へんいいと云ひ、一人が女を大へんつまらないと云ひ出したことからであったが、――かう云ふことを問題にさすに応はしい二月の午後でもあった。 一人は、海辺で桃の花と牛を眺めながら如何に中学時代恍惚としたか、無人島の松林の蝉の声に如何に魂を奪はれたかと云ふやうな話まで入した。そして二人は東京駅で下車すると、八重洲口の方へ地下道を歩いた。
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原民喜
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