![《動員挿話[第一稿]》封面](/_next/image?url=%2Fapi%2Fcontent%3Fpath%3Dcovers%2Faozora-001154-052310.jpg&w=1024&q=75)
岸田国士 · 日语
岸田国士 · 日语
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原文 (日语)
宇治少佐の居間。――夕刻 従卒太田が軍用鞄の整理をしてゐる。 宇治少佐が和服姿で現はれる。 少佐。もう大概揃つたか。太田。はあ。少佐。家の者には会つとかんでもいゝのか。太田。…………。少佐。なんなら、此処で会つてもいゝぞ。お母さんに来るやうに云つたらどうだ。太田。駄目です。泣かれると却つて五月蠅いですから……。少佐。ぢや、もう、今日はいゝから、隊へ帰れ。明日はもう来なくつてもいゝ。馬丁を呼んでくれ。太田。はあ……(その辺を片づけて)では、帰ります。御判をどうぞ……(証明書に捺印したる後、一礼して起ち去る)少佐。あ、それから、副官に、今夜はもう用はないつて、さう云へ。太田。はあ。副官殿に、今夜はもう御用はないと申します。少佐。(腕を組んで、何事か考へ込む) 夫人現はる。 夫人。後のことは、ほんとに、御心配なさらないで……。少佐。心配してやしないさ。夫人。ぢや、何を考へていらつしやるの。少佐。何も考へてやしない。夫人。うそばつかし……(夫の顔を見つめてゐるが、いきなり、その膝に泣き伏す)少佐。(途方にくれて)おい、どうしたんだ。誰か来ると見つともないから、さ、ちやんとして……。(夫人が、か
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