坂口安吾 · 일본어
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フロオベエル雑感 坂口安吾 フロオベエルの「感情教育」三巻を読んだ。いつだつたか谷丹三がフロオベエルはひどく好色な奴だねと言つた。谷丹三がどういふわけでさう言つたのか分らないが、私は感情教育を読んで、フロオベエルは好色だなと思つた。 二月革命のことが作中にとりいれられてゐて、以前誰か友人の話にフロオベエルの政治観、社会観といふやうなものがこの作品に語られておりそれがこの作品の重要な部分をもなしてゐるといふことを聞いたが、私はさういふ読後感を受けなかつた。二月革命は添え物にすぎない。また風景にすぎない。フロオベエルの政治観、社会観がこの作中に語られてゐるとすれば、政治も野心も革命も色恋の道をほかにして有りえないといふことであり、人生の妖しい魅力は色慾につきるといふことのやうであつた。感情教育は色情心理解剖の書である。 フレデリック・モロオとアルヌウ夫人の恋愛は、その恋愛の実現の不可能なことを知り、むしろ不可能たらしめやうと努めさへし、さうして不可能であることを知ることによつて逆に熱中することもでき恋愛の魅力に酔ふこともできその苦痛や懊悩を利用して人工的な現世の夢をつくりだしもしてゐるので
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坂口安吾
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