野村胡堂
野村胡堂 · 일본어
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野村胡堂 · 일본어
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원문 (일본어)
「親分、向うの角を左へ曲りましたぜ」 「よしツ、手前は此處で見張れ、俺は向うへ廻つて、逆に引返して來る」 平次とガラツ八は、近頃江戸中を荒し廻る怪盜、――世間で『千里の虎』と言ふのを、小石川金杉水道町の路地に追ひ込んだのです。 「合點だツ、親分、八五郎が關を据ゑりや、辨慶が夫婦連れで來ても通すこつちやねえ」 ガラツ八の八五郎は、懷から手拭を出すと、キリキリと撚を掛けて居ります。 まだ薄寒い二月の眞夜中、追ふ方から言へば、意地が惡く月も星も見えませんが、曇つて居るだけに、物の隈が濃くないのは、逃げる者に取つては案外樂でないかもわかりません。 「無駄を言はずに要心しろ、此處へ追ひ込めば袋の鼠だ。手前か俺が縮尻らなきア、逃げられる場所ぢやねえ」 平次はさう言ひ乍ら、引返して逆に、右手の路地を入つて行きます。言はゞ蹄鐵形の長い路地を、一方の口にはガラツ八が頑張り、一方の口からは平次が入つて行つたのですから、左右の町家の何れかへ飛込むより外に道は無い筈です。 「あツ」 路地へ入つた時、平次は思はず聲を出しました。向うから飛んで來た曲者の姿が、チラリと平次の眼に入つたと思ふと、蹄鐵形の路地の頂點あ
野村胡堂
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