伊藤野枝 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
らいてうさま、 お体の工合はどんなですか、私は一週間目から産褥をはなれて居ります、この辺は御大典奉祝の「ドンタク」で大変です、東京もさぞ大変でせう。 漸く帰京が出来るやうになりました。けれども子供の事では随分迷ひました。けれども結局矢張り同じ他手をかりるにしても自分の近くでないとどうしても安神が出来さうにもありませんので連れてかへることにしました。「里子にやるとにくむやうになるから、それではどちらの為にもいけないから」と沢山の例をひいて誰も彼も不賛成をとなへますし、良人も此度は本当に父親らしい愛をもつて子供に対してゐて、矢張り不賛成なのです。私も随分気づよくなつて、たとへ三四ヶ月でも、留守中の停滞してゐる仕事を片づける間丈けでもおいて来やうと思つたのですけれども一日一日とだん/\にさう云ふ決心もいろいろ考へて見ますと不安になつて来ますので捨てました。そして連れてかへることにしました。その代りになるべく時間をとられないやうにしつけやうと思つてゐます。幸ひに、今度の子はおどろくほど手がかゝりませんので、これならと云ふ気もします。一日中下にねてゐますので、おむつの世話とお乳を与りさへすればそ

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