岩野泡鳴 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
黒き 素船 を 透かし見れば、 砂 に しやがめる 影 と まがひ、 沖 の 小島 の 薄き 見れば、 人 の 思ひに 沈む けはひ、 空 に 住へる 月 を 仰ぎ、 寂びし わが身 の 魂 と 見たり。 われは そのまま まなこ 閉ぢて、 消ゆる 世界 を 今ぞ いだく。 浮けよ、沈めよ、千々の なやみ、 千々の 悲み、身をば 乗せて。 苦なるいのち は――繁き矢 なり―― 積みて 重なる 夢 の 小船。 さして 行くへ を こゝに 問はじ、 この夜、この時 われは 活きん。 ●図書カード

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