江戸川乱歩 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
きむらたけしくんは、しょうがっこうの二ねん生で、とうきょうのひろいおうちにすんでいました。 おとうさんは、あるかいしゃのしゃちょうさんです。 きむらたけしくんのおうちのちかくに、ふしぎなせいようかんがあって、そこにふしぎな人がすんでいました。 二かいだてのふるいせいようかんで、そのまわりは、木のいっぱいはえたにわでかこまれていました。 このふしぎないえのふしぎな人は、林さんという、四十ぐらいのおじさんでした。 おくさんも子どももなく、たったひとりで、そのひろいせいようかんにすんでいるのです。 きんじょの人たちは、このせいようかんをばけものやしきといっていました。また、そこにひとりですんでいる林さんを、まほうつかいとよんでいました。 ところが、きむらたけしくんのおとうさんは、このふしぎな人とだいのなかよしだったので、林さんは、たけしくんのおうちへよくあそびにきました。 おとうさんはたけしくんと、いもうとのしょうがっこう一ねん生のきみ子ちゃんに、よくこんなふうにいってきかせるのでした。 「林さんはかわりものだが、けっしてわるい人じゃない。たいへんちえがあるのだよ。そのちえで、いろいろふしぎ

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