小熊秀雄
小熊秀雄 · 日本語
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小熊秀雄 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
地軸に近い何所かで うづもれた 世にも稀なる紫ダイヤを とげ/\と骨ばかりのやせこけた 悪魔たちがまるくとりまき ひからびた手を繋ぎ合ひ にやにやとした もの倦い足どりで 踊るたびにからからと音がする ◇ ちやうどそれのやうに ちやうどそれのやうに かつて失はれた俺の魂は かつてうばはれた俺の魂は 柔かく 滑らかな琥珀の頬と 熟したザクロの唇とをもつた 美しい悪魔が 青くはげしく燃える俺の魂を しなやかな白いくすり指で さんざん何処かで 弄んでゐることであらう ◇ しかし美しいサタンよ お前が何時か濃緑の絨氈の上に そつと置きわすれていつた 青銅の壺にはいつた 魂の小さいカケラを 俺はしつかりと握つてゐる ◇ お前はその魂のかけらを 俺からうばひ返さうとして 夜な夜な灰色の夢に忍び いまさら傷ついた俺の魂を返し 柔らかいキスで 俺を釣らうとするのだが お前の魂のかけらが 狂はしく手に燃焼するまでも 俺はいつかな返へしはせぬ ◇ 俺は! 俺は俺は 煖炉の焔に熱した呪詛の烙印を お前の額の白い肉に押しあて ぢりぢりと焼けたゞれる匂ひと おくれ毛の燃える匂ひを 存分に吸はしてくれるまでは お
小熊秀雄
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