折口信夫 · 일본어
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원문 (일본어)
わが車は、とある村に入りぬ。 軒ごとに吊りほせるかけ菜の、あるかなきかの風にゆらめきて、鶏のこゑ、長閑にきこゆ。 轍におこる塵かろく舞ひ、藪ぎはの緋桃の花、ほろり/\散る。高安の春、いま闌なり。 いつしか、村をはなれつ。から/\と軋り行くの右左、みだれ咲く菜の花遠くつゞきて、蒸すばかり立ちのぼる花の香の中を、黄なる、白き、酔心地に蝶の飛びては憩ひ、いこひてはとぶ。いづこともなく、筬のおときこゆ。 見れば、わが行く手にあたりて、常緑樹の森あり。音は、其方より聞え来るなり。 此音を耳にして、われは、ゆくりなくも、旧き記憶をよびおこして、回想の忘れ路をたどりぬ。 恋の淵・峯の薬師・百済の千塚など、通ひなれては、そなたへ足むくるもうとましきに、折しも秋なかば、汗にじむまで晴れわたりたる日を、たゞ一人、小さき麦稈帽子うち傾けて、家を出でつ。 山鳩の、梢に羽ぶく音だに聞ゆる淋しき山路を、「あゝ正成よ」など、高らかにうたひつゝ登る。 この道は、平群の櫟本へ出づるなりとか。 もみぢにはまだしけれど、聞きおよぶ竜田へは二里をこえずと、よべ乳母の語れるに、いでさらばと志しゝなりき。 行けど/\山かさなりて
折口信夫
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