折口信夫 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
お互ひにおめでたうございます。どうぞこの上とも皆さんのお力をもちまして、この会の目的が達成せられますやうに、また努めて行きますうちに、だん/\新しいよい目的を発見して、展開して行く、それもだん/\遂げて行きますには、皆さんのお力をお借りしたいと申す外はございません。 芸能といふことにつきましては、皆さんにいろ/\なお考へもおありでせうが、大体に於て、シナで使つて居りました芸能といふ意味と、日本で使つて居ります芸能といふ意味とは、非常に違つて居りますので、只今文部省なんかで使ひ初めました芸能といふのは、全くシナの意味の芸能といふ用語例に沿うてゐるものです。日本の芸能といふ語は恐らく平安朝の末頃から慥かに現れて来るのだと思ひます。それもとび/\に現れて参ります。御存じのことでせうが、能といふのは下に心といふ字がついた態といふ字の略字が能といふ字になりまして、それが終ひには、発音までのうといふやうになつて来たのです。もとは芸態といふ風に書いてをるのであります。その態、即能といふのは物真似といふ意味です。即、芸と態とを併せて芸能といふのですから、非常にいろ/\なものを道々含んで来まして、吉野朝
折口信夫
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