北原白秋 · 일본어
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원문 (일본어)
水郷柳河 北原白秋 私の郷里柳河は水郷である。さうして静かな廃市の一つである。自然の風物は如何にも南国的であるが、既に柳河の街を貫通する数知れぬ溝渠のにほひには日に日に廃れてゆく旧い封建時代の白壁が今なほ懐かしい影を映す。肥後路より、或は久留米路より、或は佐賀より筑後川の流を越えて、わが街に入り来る旅びとはその周囲の大平野に分岐して、遠く近く瓏銀の光を放つてゐる幾多の人工的河水を眼にするであらう。さうして歩むにつれて、その水面の随所に、菱の葉、蓮、真菰、河骨、或は赤褐黄緑その他様々の浮藻の強烈な更紗模様のなかに微かに淡紫のウオタアヒヤシンスの花を見出すであらう。水は清らかに流れて廃市に入り、廃れはてた Noskai 屋(遊女屋)の人もなき厨の下を流れ、洗濯女の白い洒布に注ぎ、水門に堰かれては、三味線の音の緩む昼すぎを小料理屋の黒いダアリヤの花に歎き、酒造る水となり、汲水場に立つ湯上りの素肌しなやかな肺病娘の唇を嗽ぎ、気の弱い鶩の毛に擾され、そうして夜は観音講のなつかしい提灯の灯をちらつかせながら、樋を隔てて海近き沖ノ端の鹹川に落ちてゆく。静かな幾多の溝渠はかうして昔のまま白壁に寂しく光
北原白秋
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