坂口安吾
坂口安吾 · 日本語
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坂口安吾 · 日本語
冒頭段落プレビュー
原文 (日本語)
人間ぎらい、という人は、いないとみた方が本当だろう。私のことを人間ぎらいだと云ってる人がいるそうだが、大マチガイ。私は人間はたいへん好きだ。ただ、交際ぎらいで、もっとも気心の知れた人とはよく会うが、一面識もない訪客に会うのがキライなのである。 せんだって、ラジオの何とかの時間に、大学の先生のような人と落語家の問答があったそうで、私は聴いたわけではないが、それを別の大学の先生のような人が批評しているのを読んだのだ。だから、うろ覚えで、大学の先生の質問の方は、ちがっているかも知れない。 「戦後の世相をどう思いますか」 「たいそう、乗物がよくなりましたなア」 「日本の政治についてどうお考えですか」 「イヤア。どうも。ヘッヘッヘ」 こういう落語家のような奴がいるから将来の日本はまことに希望がもてないと云って、批評家の先生は大の御立腹であった。 私は、しかし、こんな質問をする先生も変だと思うし、批評家の先生に至っては、妙な人だと思うのだ。 私が訪問客に会わないのは、彼らが言いあわしたように、この大学の先生のような質問をしたり、イヤア、どうも、ヘッヘッヘ、と答えると腹を立てたりするような人たちだか
坂口安吾
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